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「発達障害」はこれからの日本で武器になる。ASD児を育てる私が確信した理由=午堂登紀雄

発達障害者は、日本社会では活躍できない邪魔者・お荷物なのでしょうか?実は、私の息子は発達障害(ASD)の診断を受けています。そして現在、5歳まで育ててきた経験から、発達障害はこれからの日本では武器になり、特定分野で一流になれる素質をもった存在であると考えています。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)

【続編】子どもの発達障害で不幸になる家族、幸せになる家族。明暗分ける4つの心構え=午堂登紀雄

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プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。

私の息子は発達障害(ASD)の診断を受けている

先日、妻が2人の息子を連れて遊びに行ったとき、居合わせた見知らぬ男性の若者が「アイツ、ブツブツ言って、発達障害じゃねーの?」とわざと聞こえるように言い放ったそうです。ことの顛末は妻のブログに記載されています。

そうなんです、私の長男(5歳)は発達障害なのです。

発達障害にはASD(自閉症スペクトラム、かつてのアスペルガー症候群)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、LD(学習障害、ディスレクシアとも呼ばれる)の3分類があるのですが、長男は3歳の時にASDという診断を受けています。

それはともかく、心では思ったとしても、実際に口に出す人って本当にいるんだという現実に驚くとともに、この男性のように「発達障害なんてキモい」「邪魔だ」という発想をする人はやはり少なくないんだろうなと感じました。

そして、そんな男と付き合っているであろう彼女(?)がとても不憫に思いました。

ちなみに私はこういう人間に遭遇することを想定して、撃退用のセリフを用意しています。「人間が小さいなー!5歳児の言動程度にいちいちイライラする、あんたの脳年齢の方がヤバイよ!」
「溶けてる溶けてる!そんな言葉が口から出てくるようじゃ、あんたの脳細胞の方がずっと溶けてるよ!」「お前の肛門は口についてるのか?排泄物みたいな言葉を吐きやがって!」。

いいんです。私はケンカになることを恐れず、無礼な人間にはこれくらいどぎつい言葉で撃退してやります(笑)。

そして、この出来事から、改めて発達障害の人が人間社会に存在する意味を考えてみました。

発達障害者は日本では生きづらい

私の息子の診断でもある「ASD」(つまり自閉症)の場合は、人の気持ちがわからない、空気が読めない、物事を順序立てて考えるのが苦手、強いこだわりがある、お金・時間などの抽象的な概念の理解が低いなどといった傾向があります。

また、聴覚など特定感覚器官が非常に鋭敏なことがあり、それが良くも悪くも特性となっています。

ただし、正式名称が「自閉症スペクトラム」とスペクトラム(連続している、連続体)という名がついている通り、自閉症にも重症から軽症まであり、知的に障害がある場合もあれば、知的レベルの高い人もいて、その現われ方はさまざまです。

つまり、人によって障害の出方は異なり、ADHDやLDも絡み合っていることがあります。

たとえば、私の長男は知的障害はないものの、ADHD傾向が強く、突然に大声を上げて走り回ったり、落ち着かないときがあったりします。

ASDには、特に人とのコミュニケーションが苦手、忘れっぽい、自分のやり方に固執する、複数のタスクを同時にこなせない、状況や手順が変わるとパニックになりやすいといった特質が共通してあり、これが周囲と軋轢(あつれき)を起こすなど社会でうまくやっていけず、仕事が続かないなど、貧困に陥りやすい原因になっていることがわかっています。

ADHDの場合も同様に、表面上はコミュニケーションに問題なさそうに見えても、ミスや忘れることが多い、時間を守れない、落ち着きがないといった特質があり、やはり組織や人間関係でつまづきがちです。

最近でも「大人の発達障害」がたびたびメディアで騒がれていますが、抱えていた「生きづらさ」は実は発達障害だったんだと、診断を受けて気づくパターンは少なくないようです。

特に日本は「空気を読む」ことが重視され、「同調圧力」も強いため、和や秩序を乱す存在として排他的扱いを受けやすいと言えます。

Next: 「社会の邪魔者・お荷物」という考えはもう古い

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