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日経平均29年ぶり高値更新、今からでも急騰相場に乗りたい3つの理由=藤井まり子

日経平均終値で29年ぶりに2万5000円台を回復。この急騰相場に今からでも乗りたい強気材料が3つあります。とはいえ、テクニカル的な調整局面には要注意です。(『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』藤井まり子)

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※本記事は有料メルマガ『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』2020年11月10日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

大統領選挙を終えて内外株式市場は急騰

大統領選挙を終えて、内外の株式市場では、不自然なほどに「ロケット噴射のような爆上げ」が続いています。

日本株式市場でも、日経平均が29年ぶりの高値を更新!「あぁ、1989年12月に崩壊した日本の大型バブルから、もう30年以上経過したんだなぁ。やっと29年ぶりの高値を更新したんだなぁ」と思うと、なんだか感極まってしみじみしています。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

日銀はまがりなりにも2%インフレ目標を掲げて金融緩和を継続しています。年明けには、規模のいかんはまだわかりませんが、この日本でも「第3次補正予算」という名の「ヘリマネ」が発動されます。日本でもこんな日がいつかは訪れることはわかっていましたが、いざ早々と実現すると、感動します。

(「日経平均いつかは3万円」も、第3次補正予算の規模にもよりますが、3年以内には達成されるかも知れません。)

TOPIXも1,700ポイント台にまで回復しました!当メルマガが掲げていた2020年末の株価目標(S&P500ならば3,500~3,600ポイント、日経平均ならば2万4,000円から2万5,000円)が、アメリカ大統領選挙の投票日11月3日から「わずか1週間」で早々と達成された形です。

テクニカル的には近いうちに「調整」が起こる?

「うっとり」ですが、ロケット噴射のような上昇には要注意。テクニカル的にも、近いうちに「調整」が起こる可能性がとても高いです。

もちろん、基調としては、大統領選挙「後」のバイデン新大統領誕生を祝う「100日間ハネムーン」は続くことでしょう。アメリカでは、11月・12月・1月は1年のうちで最も株価が上昇しやすい時期です。

アメリカの選挙期間中、コロナ禍第3波に見舞われているヨーロッパでは、ラガルドECBが「12月の追加のバズーカ砲」を強く示唆、イギリスBOEは「追加のバズーカ砲」を実際に発射しました。ウルトラ過剰流動性はまだまだ増え続けています。当メルマガでも、2020年末の株価目標を上方修正してる作業を開始しているところです。

しかしながら、今は「上昇局面」を大いに楽しむとしても、いくばくかの金額を利益確定する時期であれ、顔を真っ赤にして今から慌てて株式市場に飛び乗る時では「無い」でしょう。

Next: なぜ急騰相場が出現?ついに理想的なリスクオン相場が始まった



なぜ急騰相場が出現?

先週から今週にかけて、株式市場が爆上げを続ける中で、アメリカ金利市場やグローバルな為替市場では、ドラスティックな変化が起きていました。

先週11月2日から6日までの内外の株式市場では、「わずか4営業日でロケット噴射のような急上昇」が起きました。この時の株価の押し上げ要因は、アメリカの長期金利の「0.89%から0.76%への急低下」でした。

以下は詳しい解説です。大統領選挙「前」までは、アメリカ国債市場のトレーダーたちの間では、「大統領選、上院・下院、すべて民主党が総取りすること(トリプルブルー)」「その結果、来年は2兆ドルを超える大型の財政刺激策が発動されことる」を見込んで、「長期金利の上昇」に賭けている人々が多かったです。すなわち、選挙前までは、彼らは、長期国債などの国債マーケットで「(長期金利の上げに賭ける)売りポジション」を積み上げていました。

ところが、ところが、彼らトレーダーたちは、開票が進むにつれて、「トリプルブルーとはならないこと、来年の財政刺激策は当初の想定ほどには大規模にならないこと(=予想がはずれたこと)」に気づき、彼らは大急慌てでポジションを圧縮します。

その結果、アメリカの金利市場では長期金利が上記のように急低下。この長期金利の急低下を受けて、「国債保有よりも株式保有が相対的に有利」ということになり、株式市場では「バリュー株からグロール株へのドラスティックな組み替え」を伴いながら「株価の急騰」が巻き起きました。

穏やかな長期金利の上昇と穏やかなドル安トレンドの始まり

先週末からすでに、当メルマガでは、こういった「株価の噴射のような急上昇」は、短期的なもので、「遅かれ早かれ、内外の株式市場では、穏やかな長期金利の上昇を伴う、穏やかな株価の上昇」トレンドが戻るだろうと見越していました。

ところが、ところがです。今週に入って、マーケットは私の期待をさらに「良い意味」で大きく上回ってくれました。11月9日のアジアマーケットでは、大統領選挙を終えて、アメリカの長期金利は「極めて穏やかな、穏やかすぎるくらいの上昇」気流に乗り始めていました。為替市場でも「極めて穏やかな、穏やか過ぎるくらいのドル安」が始まったように見受けられました。

これは、「グローバル経済が手堅い回復軌道に乗った」時に決まって現れる「景気回復の象徴的な現象」であり、シグナルです。

内外の株式市場では、絵に描いたような「理想のリスクオン」相場が選挙後わずか1日で出現。始まったと言えるでしょう。

人民元高は特に歓迎すべきこと

特に歓迎すべきは、誰もが待ちに待っていた「中国人民元高・ドル安」が始まったことです。

振り返ると、米中貿易摩擦が激化していた頃は、人民元は対ドルで1ドル7.00人民元台にまで下落していました。トランプ大統領が大統領令を次々と発令して対中関税を次々と引き上げたので、中国習近平氏は自国の輸出業者を守るために、人民元を意図的に安めに誘導していたのです。

ところが、バイデン氏が次期大統領に決定すると、おそらく中国政府は「バイデン次期大統領は大統領令を発動して対中関税を引き下げるだろう」と踏んだのでしょう。早々と人民元を対ドルでの高め誘導を開始しました。

今週に入ってから、人民元は対ドルで6.60人民元あたりまで上昇してきています。もちろん、まっ先にコロナ禍を制圧した中国では、その経済は先進各国経済よりも一足先に力強い回復軌道に乗っています。

人民元/円 日足(SBI証券提供)

人民元高は、「アメリカをはじめとする先進諸国への輸出」で中国と競合関係にある「アジアなどの新興国群」にとっては、「恵みの雨」です。

そして、(いろいろご意見もあるでしょうが、)中国への輸出に大きく依存している日本経済にとっても、中国人民元の上昇は「恵みの雨」です。

アフターコロナ時代では、アメリカ経済と中国経済の二大大国が再び世界経済を牽引してゆくことでしょう。

「先進国群の通貨安・新興国群の通貨高」トレンドは、為替市場が最も理想とする「グローバル経済が再び繁栄を取り戻す時」に決まって現れる「極めて理想的なの為替市場の姿」なのです。

「アメリカの長期金利の穏やかな上昇」と並ぶ「理想的な為替のトレンド」が、わずか1日で、11月9日のアジアマーケットでドラスティックに出現したのです。これを内外の株式市場が歓喜しないはずはありません。

Next: 今からでも乗るべき? 市場が大歓迎する「3つの強気材料」



ファイザーワクチン情報は「アフターコロナ時代」の象徴

そして、11月9日、日本人が眠っている間に、アメリカ時間のマーケットではさらなる「急激な喜ばしい変化」が巻き起きていました。米ファイザーが新型コロナワクチンの開発の第3相臨床試験データで、大きな前進があったと公表したことです。データの詳細はまだ明らかになっていないものの、ユーフォリアで浮かれトン吉になっている内外マーケットは、これに大きく反応しました。

欧米マーケットでは、人類が新型コロナとの戦いに勝利する「アフターコロナ時代」を早々と見越して、インフレ期待もアメリカの長期金利も急騰。この景気回復を見越す「良い意味での長期金利の急上昇」に伴って、再び株式市場では、「ハイテクなどのグロース株からローテックなどのバリュー株へのドラスティックな組み替え」が大規模に巻き起こりました。

11月9日の海外マーケットは、出遅れ気味だったバリュー株中心のヨーロッパ株式市場も爆上げ、アメリカ株式市場では、ダウも2万9,000ドル台を回復、3万ドルを視野に入れる勢いです。一晩明けた11月10日のアジアマーケットでも、出遅れ感の強かったバリュー株中心の日本株式市場やアジア株式市場はさらなる上昇を続けています。

マーケット期待が高すぎるファイザーのワクチン開発

しかしながら、注意は必要です。ファイザーは、正式には、11月第3週(11月23日?)に米国食品医薬品局(FDA)にデータを提出、FDAの許可を待ちます。

この時にファイザーがFDAに提出する「最終的なデータ」は、「あまりに高過ぎるマーケット期待」をいくばくか裏切る可能性があります。

あまりに内外の株式市場は急速に上昇し過ぎてしまいました。テクニカル的にも危険信号が出ています。そろそろ調整には気を付けましょう。

マーケットが大歓迎する「3つの強気材料」

今後、ロケット噴射のような株価の上昇が、近いうちに「テクニカル的な調整局面」を迎えるにしろ、個人投資家の皆様におかれましては、以下の3点だけは肝に銘じて、「強気継続」がよいと考えています。

1)マーケットには「身の置き所に困っている、溢れんばかりのウルトラ過剰流動性」が存在している
「3月のヘリマネ」だけで内外の株式市場は上昇トレンドを維持できるのに、この「超の付くウルトラ過剰流動性」は、ECBやBOEなどのヨーロッパ中銀によるバズーカ砲で、未だに増加していること。バイデン次期大統領と議会は、「2兆ドルを超えるような大型刺激策の発動」は無理でしょうが、「そこそこの大型の刺激策」や「そこそこの規模のインフラ投資」は実行できるでしょう。

またバイデン次期大統領は、トランプ現大統領と違って上院議員との対話が上手。そして、こちら「妥当な規模の刺激策やインフラ投資」のほうが、長い目で見たならば、株式ブームが息の長いものになり、長い目で見れば株価には有利。と考えます。上院では共和党が過半数を取得したので、2022年の増税はまずは不可能になったので、これも株価には有利です。

2)アメリカでは、季節的にも11月・12月・1月は株価が上昇しやすい時期
ヘッジファンドたちが最もがんばって働く季節です。また欧米で感染爆発している新型コロナウィルスは異変を繰り返して、この春先の従来型のものよりも弱毒化しているという情報もあります。

3)「悪い金利の上昇」「ドル国債の暴落」は、少なくとも向こう数年くらいは起きない
うまく行けば、2030年までは先進国では現在の株式ブームが続くかも知れません。先進国が「スタグフレーション(不況の中の物価高)」に陥るのは2030年以降でしょう。

Next: 出遅れ感の強かった日本株も欧州株も上昇していく



アフターコロナはインフレの時代へ

「ファイザーのFDA認可の問題」とは直接には関係なく、ワクチン開発が計画よりも数ヶ月「後ずれ」しているとの情報もあります。すなわち、先進各国で隅々にまでワクチンが行き渡るのは、当初見込みの「2021年半ば」ではなく、「2021年秋」に「後ずれ」しそうです。

なにはともあれ、ファイザーワクチンへの「高すぎるマーケット期待」などが引き金となって、近いうちにテクニカルな調整が起きてもまったく不思議ではありません。

マーケットから振り落とされないようにしましょう!

アフターコロナ時代は、インフレ時代です。アメリカ株式市場は2021年も5%~10%上昇することでしょう。出遅れ感の強かったヨーロッパ株も日本株も今後は上昇していくことでしょう。

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【要注意】資産形成および投資は、必ず「自己責任」でお願いします。この記事は藤井まり子の個人的見解を述べたもので、当メルマガ及び記事を読むことで何らかの経済的及び精神的被害を被ったとしても、当方は一切責任を負いません。

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2020年11月配信分
  • 「ロケット噴射」後の「テクニカルな調整局面」には要注意!(11/10)
  • 「ロケット噴射の様な株価の急騰が起きたわけ」(11/6)
  • 内外の株式市場は「100日間ハネムーン」へ!(その3)~「議会のねじれ」はマーケットの理想型!♪ー(11/5)
  • 「100日間ハネムーン」は始まっている!その2(解説)(11/4)
  • 「100日間ハネムーン」が始まった(11/4)
  • 内外の株式市場は、「調整局面」は早々と終了、再び「力強い上昇局面」に乗った!♪(11/2)

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image by:oneinchpunch / Shutterstock.com

藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』(2020年11月10日号)より一部抜粋、再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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