中国の景気減速で「怪しい香港」が戻ってきた。高城剛の現地レポート

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景気減速で大好きな「怪しい香港」が少しだけれど戻ってきた―。ご自身のメルマガでこう語る高城剛さん。でも、なぜ香港の怪しさが景気に左右されるのでしょうか。そこには確かに納得できる理由がありました。

景気減速で戻ってきた「怪しい香港」

今週は、香港にいます。

香港の街中を歩くと、ゆるやかに景気減速しているのを実感します。2年前はあまりのバブルぶりに圧倒され、その勢いはいまも続いているのは間違いありませんが、冷静に街角を見ると、なにかが大きく変わる前兆のようなものを感じます。

金融都市・香港の小さな変化は、今後の世界経済の動向や中国の未来を考えさせる機会でもありますが、それをさておき、僕にとって嬉しいことは、かつての「怪しい香港」が少しだけ戻ってきたことにあります。

四半世紀に渡って定点観測している携帯電話ビル「先達商場」に出向くと、入り口の側に陳列されていた、まったく意味不明のスマートフォン、例えばフェラーリやリーヴァイス、タグホイヤーなどのブランドを冠したディバイス一掃され、替わりにスマートフォン修理センターが幅を利かせていました。このスマートフォン修理センターは、ただの修理を行うだけでなく、SIMロックの解除から、ひとつのSIMスロット2枚挿しにする改造まで行う、まさに「怪しい香港」そのものです。

こうなると、優位に立つのはAndroidになります。日本にいるとそこまでは感じませんが、世界的なスマートフォンのシェアをみますと、Androidユーザーはすでに14億人に達し、80%を超えるシェアを持っています。また、中国のスマートフォンの普及率は、実はまだ30%程度しかなく、今後の伸びがまだまだ期待できる市場ですが、低所得者層の99%は安価なAndroid選択するとみられています。

すなわち、景気が悪くなると価格的優位性が際立ち、また改造面からもAndroidに注目が集まることになるのです。いままで景気がよかった時には2台持ちしていましたが、景気が悪くなれば1台が壊れたのを機に(時にはiPhoneを高値のうちに売却し)、もう1台に機能を集約することを考え、その場合に残る選択肢はAndroidになります。ひとつのSIMスロットを2枚挿しにする改造するには特別なアプリで動かす必要があり、それはAppleでは認可されませんが、Androidでは可能だからです。

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