中国の景気減速で「怪しい香港」が戻ってきた。高城剛の現地レポート

 

また、iPhone6s新品(たぶん)と中古が、いま香港の路上で叩き売りのように販売されています。このような光景は久しぶりに見まして、いままでだったらAppleが絶対に許さなかった路上販売が香港で堂々と行われているということは、香港人の実情が「それどころではない」ことを、物語っているように思えます。

そしてAndroidといえど、景気減速とともに街角で見なくなったのが、サムソン製品です。設立からわずか5年しか経っていない「小米」などの中国企業が台頭しているのは言うまでもありませんが、見たことも聞いたこともないメーカーが続々と登場しています。このなかから5年後世界的企業が育つのだろうな、と実感します。

すなわち、景気減速は新興勢力にとって大きなチャンスとなります。潮目が変わる予兆ですから、大企業が守りに入る隙に、挑戦的な「怪しい」企画や製品を立ち上げる機会ともなるわけで、見たことも聞いたこともないドローンも、街角で多く見かけます。

3年前には、黒板消しサイズの巨大スマートフォンを耳にあてて話すのは滑稽だと思っていましたが、いまではそれが主流になりました。そう考えると、日本人から見る香港人の「合理的な滑稽さ」は、次の世界を制するのかもしれません。それを求めて、今日も僕は香港の街角を探索しています。

image by: Shutterstock

 

高城未来研究所「Future Report」』より一部抜粋

著者/高城剛(作家/クリエイティブ・ディレクター)
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
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