傾きマンション、実は「4棟で1棟」扱いという悲劇の始まり

 

すると、1人の専門家が、

「このケースは、売り主が費用負担すると言っているから、まだ、解決の可能性はあるけど、自分たちが費用を負担しなければならない場合は悲惨だよ。2棟をL字型にイクスパンションでつないで1棟にしているマンションで耐震診断をしたんだけど、長手の方の建物は割合いい数字が出たんだけど、短い方の建物がかなり危険だとわかって…」

よくある、L字の短い方は、道路の斜線制限に引っかかって、斜めになっている建物だろうな…形が偏っていると地震に弱いんだよね~と想像。

危険な方に住んでいる人は耐震改修工事をしたいっていうんだけど、何と言っても、戸数的には危険な方の住民の方が少ないんだよね。自分たちが安全だという多数は、そんな自分たちに関係がないところに大きなお金を支出したくないというので、総会の多数決議で否決され、結局、耐震改修はできなくて。で、耐震診断しちゃったから、マンションを売るときにはそのことを言わないわけにはいかないから、危険な方に住んでいる住民は、危険のレッテル付になっちゃった部屋を売る訳にもいかず改修もできずに、そのまま住み続けるしかないんだよね。1棟扱いだから、危険な方だけ自分たちで改修するという訳にもいかないから。こういうの本当に悩み深いと思うよ」

という話を聞きました。

構造上の1棟と、確認申請上の1棟、区分所有法上の1管理組合の関係を、現実的に整理しないと、これから、いろいろな問題が出てきそうです。というか、もう発生している

image by: MAG2 NEWS

 

まんしょんオタクのマンションこぼれ話
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