上司に「絶対やっちゃイケナイ事」を訊くと、仕事はウンと楽しくなる

 

君はどうやりたいの?と訊いてみる

部下に、「○○以外は好きにやっても良いよ」と伝えるのには勇気が要ります。その結果、めちゃくちゃな状態になったとしたら、その尻ぬぐいをしている間中、こんな状態を作り出した部下にのろいの言葉を掛け続けるでしょう。だから上司として自由にやらせるというのは、わかっちゃいるけどなかなかやりにくいんですよね。

それを事前に、この人なら大丈夫、この人は絶対にムリというのを把握していたら、上司として仕事の管理がスゴくしやすくなると思いませんか? そのために一番手っ取り早い方法は、

● で? 君はどうやりたいの?

と訊くことです。

これはコーチングの基本なんですけど、何かを伝えてやらせるのでは無く、質問形式にして本人に気付かせるという方法があって、これもその一種です。今回はコーチングの目的ではなく、単にその部下がチャンと頭を使って考えているのかを確認するためのテストとしてこれを使っています。

何か業務や仕事をやらせる時に、最後のゴール設定だけを明確に伝え、やり方までは指図しないんです。例えば、

● 最終的には○○になったら嬉しいんだけどね、ちょっと考えておいてよ

と伝えます。この○○が上司としての私が欲しい成果です。で、翌日あたりに、

● 昨日の件だけどさ、君はどうやりたいの?

と質問をするんです。ここで頭を使って考えている人なら、自分のやりたい方法や、得意な攻め方、必要なアシスト(ヒト、モノ、カネ)を説明してくれるでしょう。そういう人はとりあえず「優秀」というラベルを貼って次のステージに連れて行きます。次のステージというのは制約条件だけを伝えて、しばらく自由に泳がせて様子を見るということです。

これが出来ない人は、要するにやる気が無いか(やりたく無いか)、何をどうして良いのか分からないのかのどちらかです。前者には忙しすぎてこれ以上手を広げられないという一部優秀な人もいますから、十把一絡げに「無能」の烙印を押すのは止めておきましょう。しかし後者の何をどうして良いのか分からないのは問題です。

能力という意味では、こういう人は本当に困ったちゃんで、こういう人に厳しい課題を与えると上司が尻ぬぐいをしなきゃならなくなるんです。これは年齢、性別、社歴、職級は関係ありません。そこそこ出世しているのに、このタイプの人に当てはまるようなら、その人には要注意です。それは社内政治を乗り切るスキルに長けているか、性格の良さだけで上司に可愛がられて栄達した可能性が高いからです。

そういう人は赴任して来たばかりの上司に接する態度を見たらすぐに分かります。すかさず接触して、あれこれ世話を焼き始めますから。それはそれで人間としては良い人なんでしょうけど、こういう人をいきなり信頼して大きな成果が必要な仕事を任せてはいけません。必ず本人の能力を確認すべきなんです。

そのためには、どうやりたいのか? を聞いた後に、そのひとつひとつを深掘りするのです。ヒラではなく、役職者を部下に持ったら(つまりリーダーとか、係長、課長を部下に持つようになったら)その役職者部下にはこのステップが必須になるんです。だって役職者になっているということは、ある程度の能力を具えていて当たり前なんですから。ところが実は能力が無かったってことになると話は変わってきますよね。

スゴくシビアな話なんですが、上司って何気ない言葉のやりとりから、部下の実力測っているものなんですよ。

image by: Shutterstock

 

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著者/佐藤しょ~おん
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