その前に、「勝てる環境づくり」が行われます。
で、どうやって「勝てる環境づくり」をするかというと、「情報戦」によってです。
「情報戦」で敵国(日本)を、「悪魔化」する。
そして、「孤立」させ、「誰も敵国(日本)を助けないような状況」をつくりあげる。
中国の「対日プロパガンダ」の柱はなんなのか?
- 日本は再び「軍国主義化」している
- 日本は、「右傾化」している
- 日本は、「歴史修正」を目指している
中国がモスクワで「反日統一共同戦線」構築を宣言した翌月、日本には安倍内閣が誕生しました。
2013年、中国は大金を投入し、全世界で「反日プロパガンダ」を行います。
そして、2013年12月、安倍総理が靖国を参拝すると、中国、韓国に加え、アメリカ、イギリス、EU、ロシア、オーストラリア、台湾、シンガポールなどなどが、厳しくこれを批判しました。
日本政府はパニックになります。
「ええ!?!? 小泉さんは首相時代6回参拝したけど、批判したのは中韓だけだったぞ! なんで今回は、全世界が非難しているのだ???」
「反日統一共同戦線」の存在を知らない日本政府は、オロオロ。
アメリカを中心に、「安倍バッシング」の機運は急速に盛り上がっていきます。
ブルームバーグは、「安倍を懲罰せよ!」と主張していた。
しかし、バッシングは、はじまったのと同じくらい急速にしぼんでいきました。
2014年3月、ロシアがクリミアを併合した。
それで、オバマは安倍さんを「反ロシア制裁連合」に加える必要がでてきた。
安倍バッシングはこれでなくなりました。
2015年3月、「AIIB事件」が起こった。
親米国家群、たとえばイギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オーストラリア、イスラエル、韓国などが、アメリカを無視し、中国主導「AIIB」に参加した。
これで、アメリカの「敵ナンバーワン」は、ロシアから中国に移りました。
2015年4月29日、安倍総理が米議会で「希望の同盟演説」。
「アメリカを反日統一共同戦線に引き入れる」
という中国の意図に反し、日米関係は劇的に改善されます。
この頃から、日中関係は、好転しはじめたのです。
5月、二階さんが3000人をひきいて訪中した。
すると習近平がひょっこりあらわれ、
「朋あり遠方から来る、また楽しからずや」
といって、にっこりほほ笑んだ。
そして、「戦略的互恵関係を深めましょう」となった。
以後、日中関係は、徐々に改善されています。
以上、日中関係の流れをみてきました。
まとめてみましょう。
2012年9月、尖閣国有化で、日中関係は戦後最悪になった。
中国は、「反日統一共同戦線」戦略によって、日本と戦うことにした。
この戦略の大きな柱は、「日米分断」であった。
それで中国は、大規模な「反日プロパガンダ」により、日米分断をはかった。
ところが、「AIIB事件」で、日米は逆に親密になってしまった。
というわけで、「日本孤立化による日米分断」に失敗した中国。
今度は、「日本に接近することで日米分断」をはかっている。
時系列でみることで、こういう流れが、はっきり理解できるでしょう。