「音読」と「消しゴム不使用」で、子どもの国語の成績はグングン上がる

shutterstock_207257995
 

全国の小中高生向けにオンラインの作文・小論文講座を展開している教室のメルマガ『言葉の森 オンラインマガジン』。今回は中学生向けに、日本語の読解力・記述力をアップさせるための秘策として、「問題集読書」の方法を伝授! 子どもの国語の成績がなかなか上がらない……とお悩みの保護者の方は必見ですよ。

中学生の問題集読書の進め方──読解問題の選択肢の分析

小学生の問題集読書は、難しい語彙のある物語文や説明文を読み慣れることに力点がありますが、中学生の場合はもう少し進んだ勉強ができます。

その方法は、読解問題の選択肢を分析することです。

まず、問題集読書の最初の勉強方法は、あらかじめ問題集の解答を見て答えを書き込むことから始まります。これは、英語でも理科でも社会でも、基本的には同じです。

答えの既にある問題を、最初からわざわざやるのは時間の無駄です。答えを見て、すぐにわかる問題はやらなくてもいい問題で、答えを見てわからない問題だけを自分なりに理解していけばいいからです。

問題集に答えを書き込んだあと、見開き2ページを音読していきます。音読は、問題文だけでなく、設問も答えも一緒に読みます。見開き2ページなら、大体3分で読み終えます。

なぜ音読をするかというと、音読によって文のリズム感が身につき、繰り返し音読をすることによって文の理解が深まるからです。中学生は黙読で済ませたがりますが、黙読の読みでは、繰り返し読むことが難しくなります。

音読の必要性は、英語でも同じです。英語の教科書の1ページ分を毎日20回以上音読して暗唱するのが、英語の勉強の基本です。

さて、国語の問題集読書で音読が終わったら、50字で感想を書きます。その際、50字ぴったりにまとめるようにすると、言葉を選択して書く力がつきます。

これからの国語の試験は、記述力が問われるようになりますから、感想はできるだけ早く書き上げるようにします。これは、作文を書くときにも生きてきます。

早く書き上げるためには、消しゴムは決して使わずに、最初から最後まで一息で書くように心がけることです。消しゴムは、うっかり書き間違えたときの1文字分を消すのには使ってもよいのですが、それ以上の語句や文を消すのには使わないようにします。

この答え書き込み、音読、感想書きがひとまとまりの勉強で、大体15分もあればできると思います。

これを毎日続けて1冊を最後までやり終えたら、同じ問題集の2回目に挑戦します。2回めは、もう既に答えの書き込みが終わっているので、音読と感想書きだけです。

感想を書く力をつけるために、「○○はAでなくBである」というような対比をはっきりさせた文を書くようにします。また、読解問題の選択肢のうち、正しい選択肢でないものが、どういう理由で正しくないのかを言葉ではっきり言えるようにします。

国語力の基本は、難しい文章を読み慣れることですが、国語の成績を上げるためには、読み慣れるだけでは不十分です。

成績を上げるコツは、この選択肢の分析のように、正しくない答えがなぜ正しくないかを自分なりに理解することです。

しかし、その分析の土台になっているのは、読み取る力ですから、問題集の音読だけでなく、普段の生活の中で読書をする時間も毎日確保しておく必要があります。

image by: Shutterstock

 

『言葉の森 オンラインマガジン』
オンライン作文教室「言葉の森」が、毎週、生徒向けに発行している新聞。どなたも購読自由。作文、小論文、読書、国語、通信教育、未来の教育などに関する記事が豊富。
≪登録はこちら≫

print
いま読まれてます

  • 「音読」と「消しゴム不使用」で、子どもの国語の成績はグングン上がる
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け