“塗るだけで美肌”はアリエナイ? 間違いだらけの「美肌ドーピング」

Piotr Marcinski/ShutterstockPiotr Marcinski/Shutterstock
 

いつまでも美しい肌を維持するため、日ごろケアされている女性の方は多いと思います。しかし、人気メルマガ「アリエナイ科学メルマ」の発行者であるくられ氏に言わせると、世に多く出回る“塗るだけ”で美肌をキープできる薬の多くは、眉唾なものが多いんだとか……。

塗る薬で肌質がガクンと変わるモノはあるのか

結論から言ってしまうと、25歳を過ぎてしまうとモデルや女優さんのようなピカーっとした肌や、キュっと引き上がった肌なんてものは、外科的なアプローチをしないかぎり戻ってきません。

その辺の話は、そのうち本にでも……といいつつ1年くらいたってますが、外科的に肌を引き上げるフェイスリフト(といっても種類も様々)、ミリ波で皮膚の中をわざと火傷させて再生を促し張り艶を戻すサーマクール(最近はラジオ波で焼くタイプも出てきました)とかいろいろあるわけで、これらの決して安くない(とはいっても、毎年何十万円と美容に費やすなら大して変わらないのですが)施術があってこその美肌維持ってのは、わりかし現実です。

コラーゲン(ゼラチン)なんか塗っても当然肌には入りませんし(そもそもそのまま入ったら免疫で拒絶されて大変なことになるw)、最近はヒアルロン酸を肌に刺すみたいな、小さいトゲを顔に刺すような感じの商品もありますが、角質層に多めに保湿成分乗せるだけなので、自作化粧水のほうが遙かに安くて同じ効果です。ビタミンC誘導体入りのものは多少効果がありますが、非常に高価で効果が分かるほど使い続けるのはなかなか……個人差もあって(以下略)です。

では、塗る薬で肌質がガクンと変わるモノはあるんでしょうか。もちろん、普段のケアは以前お伝えした通り、保湿・清潔・紫外線対策の3本柱は、ゼッタイに怠ってはいけないわけですが、それ以上を塗り薬で……となると、ホルモン剤くらいしかありません。

これは結合型エストロゲンを配合したクリームがあって、それを肌に塗ると吸収された部位のエストロゲン濃度が高まり、肌のキメが戻る……という話があります。

この話は、更年期障害用のプレマリンクリーム(膣に塗るクリーム剤)を顔に塗るというもので、当然効果が確認されたまとまな実験はありません。ただ皮膚からもけっこう吸収はされるようなので、効果が全くないわけではなく、理屈の上では肌のエストロゲンレベルが上がるわけなので、人によってはかなり肌が綺麗になりそうな気はします。

……が、ホルモン剤はホルモン剤なので、生理不順をはじめ、耳鳴りやのぼせなどの副作用が出る可能性もあり、決してオススメ! なんて手放しでは言えないわけですが、そういうのもあるという話です。

逆に言えば、リスクを限りなく避けてそして綺麗になりたい! のであれば、その道の専門医に聞くのが、結果的に一番安く上がる……という話です。

著者/くられ

シリーズ15万部以上の不謹慎理系書「アリエナイ理科ノ教科書」著者。別名義で「本当にコワい? 食べものの正体」「薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 」などを上梓。学術誌から成人誌面という極めて広い媒体で連載多数。まぐまぐ!からは、無料メルマガ「アリエナイ科学メルマ」を絶賛配信中。
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