日本を蹴り中国を選んだツケ。着工すらできぬインドネシア高速鉄道

 

インドネシアで中国の高速鉄道が選ばれた理由は、ほとんどタダ同然で工事を受注するという破格の条件でした。それだけに、このポーランドの高速道路と同じ結果になる可能性すらあります。

しかも、中国側がインドネシアに提示した計画書は、ルートも駅の位置も日本が提示したものとまったく同じで、違うのは提示金額だけだったとされています。日本側が1年以上かけて行ってきた地質調査データやルート策定などが、インドネシアの親中派の関係者を通じて中国側に渡り、それがそのままパクられた疑惑が囁かれています。中国が2015年3月に参入を表明してから提案書提出まで5か月しか無く、ボーリング調査を実施した形跡もないそうです。

中国鉄道案、波乱含み 用地取得や利子重荷

これに対して、当然、中国側は憶測で中国に不利な報道をするなと反論しています。計画において多少の遅れはあるが、そんなものいくらでも挽回できる。まだ本気を出していないだけだ、といった内容の反論をしています。

インドネシア高速鉄道計画の報道を推測で行わないよう中国は要求

こうなると、インドネシア政府がどこまで中国の面子を重視するかの問題です。もちろん、傷は浅いうちがいいことは承知で、中国のやり方を静観しているのでしょう。

インドの鉄道受注競争では日本が勝利しただけに、インドネシアもおいそれと中国を拒否することはできないはずです。そもそも、計画、調査、工事、実行力に関しては明らかに日本のほうが優れていることを分かっていながら、費用を中国が負担するとの提案に乗せられて中国を選んだのはインドネシア政府です。

まだ多少の遅れが出ているだけの状況で、「やっぱりやめた」とは言えません。とはいえ、かなりの不安を抱えているのは確かでしょう。だから中国に対して保証条項の追加を求めたのだと思います。

もちろん中国にとって、インドネシアの鉄道を受注したことの意味は大きいのです。得意分野でもない鉄道事業を東南アジアに売り込んでいる中国の真意は、鉄道というハードを得ることで、鉄道で運ばれるヒトとモノ、つまり物流と人流をも手中に収めることです。それを得ることができれば、大中華帝国主義の「一帯一路への道筋ができるのです。その足がかりとしてインドネシアの高速鉄道なのです。

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