1000年の歴史を持つ清水寺が、たった「400年後」のためにやってること

 

柱と貫の接合部分は継手(つぎて)と呼ばれる技法で組み合わされています。僅かにできたすき間にはけやきの木片で楔(くさび)が打ってあって、釘1本使うことなく強度を高め足場を固定しているのです。このように先人の考え抜かれた技術の結集が舞台を支えているのです。

木は火と水に弱いものです。清水寺は1,000年以上の歴史の中で何度も火災にあってきました。建物はその都度再建され、現在の建物は1633年に徳川家光によって再建されたものです。

しかし、水に対してだけは昔から鉄壁の守りを貫いてきました。舞台を支える木材が雨ざらしになるむき出しの部分を防ぐ努力が続けられてきたのです。地面から舞台を支える懸造りの構造を見ると先人たちが考え抜いた雨除けの技術の結晶が見て取れます。

まず、舞台そのものですが、もともと軒先方向に緩やかな傾斜が付けられ建設されています。これは舞台に降り注ぐ雨が自然と崖に流れ落ちるように設計されているのです。水はけを良くして水が舞台にたまらないように工夫されています。
訪れたことがある方はその緩やかな傾斜に気付いたことがあるでしょう。舞台そのものはそれを支える頑丈なケヤキの柱の屋根の役割を果たしています。

柱に取り付けられた沢山の貫の1つ1つの上には小さなひさしが丁寧に取り付けられています。垂直に立つ柱に対して水平方向に突き刺さる木材の先が雨に濡れたままになり腐食しないようにと工夫されたものです。屋台骨を支える柱の真横に走る貫は強度を増すためものなのにそれが腐っては意味がありません。そのたびに修復を繰り返すのも大変なことです。簡単に取替えられる小さなひさしを付けることで大型修復をせずに舞台を支え続けているのです。

1,000年以上続く大工さんのとても細やかな心のこもった工夫が世界遺産清水寺を支え続けているのです。手作業で1つ1つ取り付けられている沢山のひさしを見ると職人さんがずっと清水寺を大切に思ってきた気持ちが伝わってきます。

小さな腐食や虫食いなどで傷んだ柱はその部分だけ切り取って木材を継ぎ足す根継ぎという手法で手当てしています。このように清水寺に関わってきた先達たちはその時々の技術や智恵というタスキを次々につないで舞台を守ってきたのです。

しかし、そうはいってもケヤキの柱にも寿命があります。現在舞台を支えているケヤキの柱は樹齢400年のものが用いられているそうです。ケヤキの角材の耐用年数は樹齢の倍ぐらいだと言われています。今の舞台を支えるケヤキの柱の耐用年数は800年ということになります。再建されたのが400年前なので、400年後ぐらいに立て直すことが必要となります。

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