命が尽きる瞬間まで「働きアリ」は老化の兆候がまったく見られない
●働きアリは「老化」しない:英研究結果 wired.jp 2016.2.9
オオズアリの働きアリは、命が尽きる瞬間まで、老化の兆候がまったく見られないという研究結果が発表された。
人間の場合、老化現象は止められない。
しかし働きアリは、命が尽きる瞬間まで、老化による衰えを一切示さないらしい。
英国王立協会が発行する学術論文誌『Proceedings of the Royal Society』に掲載された論文によると、Pheidole dentata(北米に生息するオオズアリの一種)の小型の働きアリ(マイナーワーカー)は、実験室の環境では140日間生きるが、命が尽きるときまで、老化の兆候はまったく見られなかったという。
オオズアリでは、働きアリの一部が大柄な兵隊アリ(兵アリ)になる。
研究者は通常の働きアリを小型働きアリ=マイナーワーカー(minor worker) 、いわゆる兵隊アリを大型働きアリ=メジャーワーカー(major worker)と呼ぶ。
働きアリたちは、幼虫の世話をしたり、道しるべフェロモンをたどったり、死んだ昆虫をあさったりなど、毎日の作業にいそしんでいるが、こうした働きアリ数百匹が調査対象になった。
研究者たちはこれらの働きアリたちに、脳細胞の死滅や、ドーパミンなどの神経伝達物質の減少、日々の作業効率の低下など、人間に見られるような老化現象が現れるかどうかを注意深く観察した。
その結果、アリがそうした現象の影響を受けることはなく、死の直前まで最高の状態で生き、最期を迎えることがわかった。
いつでもマックスのテンションで死ぬまで働き続けられるとは、すごい能力ですね!まるで、ロボットです。壊れるまで、最高のパフォーマンスで働き続けます。
これは、やはり、生殖しなくて済む。ってのが大きいんでしょうね。
生き物は、子孫を残すことにものすごくエネルギーを使用します。なので、子供を産んだり、育てたりする人がマックスパワーで働くのは非常に無理があります。
その点、アリは、生殖する個体、働く個体、子育てする個体と、役割を決めて、常に最高のパフォーマンスで活動できるわけです。
生物の定義に、
自分と他者を分ける境界線を持っていること、
自分を維持できること、
自分を複製できること
などがありますが、働きアリの場合、自分の複製を他人に委ねているわけです。
ってことは、働きアリは、生物じゃない???ってことかも?
社会性を持つ生物の場合、生物の定義を集団で持っていたらいいのかなぁ?
そこらへん、どうなんでしょうね…。
人間も昔から、子供を産んで育てる人、子供を産まずに働く人、と、分けられてきました。
男と女ですね。
体力のある男が働き、体力のない女性が子供を産んで育てる。というのが男女のできた理由なんだと思います。
最近は、子供を産まずに男性と同様に働く女性も増えてきました。しかし、生物の基本は、子孫を残していくことにあります。子孫を残せる人は、働くよりも、子孫を残していくことを優先したほうがいいと思います。
あくまでも、生物としては ですけども。
人間も、アリの社会のように、きちんと役割分担をして、子供を育てる人を守る仕組みが必要になってきているんじゃないかなぁ。と思います。
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『生物学博士いいなのぶっちゃけていいっすか?』
著者/いいな
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