なぜ日本は、中国を挑発してはいけないのか?ハシゴを外された韓国の悲劇に学ぶ

 

なぜ日本は、中国を挑発してはいけないのか?

私は、中国の「反日統一戦線」戦略を知った2012年末以降ずっと、「日米関係強化が最重要だ」と書きつづけてきました。安倍総理の米議会演説で、一つの峠は越えたと思っています。

しかし、私たちは「汚い世界」に生きる「大人」。ですから、「アメリカには、日中を戦わせて『漁夫の利』を得たい誘惑がある」ことを常に忘れるべきではありません

日本が目指すのはあくまで、アメリカを中心とする中国包囲網形成です。日本が反中国の主役になったらいけないのです。

日本が中国と対抗するために、アメリカのお墨付きを得て軍事力を強化するのは、「よいこと」です。私たちは、「自分の国を自分で守れる」「軍事的自立」をめざしているのですから。

インド、オーストラリア、東南アジア諸国、ロシアなどと経済、軍事関係を強化していくのは「よいこと」です。

しかし、ウクライナが全世界でロシアを非難しているように、韓国が全世界で日本を非難しているように、日本が全世界で中国を非難するのは「悪いこと」です。

なぜかというと、それで日本は「対中戦の主人公」になってしまう。つまり、「日中戦争の可能性」を自分で増大させる結果になる。

だから日本は、中国とは、つかず離れずの関係を保ち、ケンカにならないよう注意しなければなりません。

別に「仲良くしろ」とはいいません。安倍さんは、中国を訪問する必要はないと思います。ただ、「挑発するな」「不要な悪口はいうな」「ケンカするな」と言っているのです。

そういうのは、あくまでアメリカにやってもらうのです。

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