大国に利用された国々の悲劇
私は、なぜこんな話をするのでしょうか?
「利用された国」の例があるからです。
たとえばジョージア(旧名グルジア)。
この国では03年に革命(バラ革命)が起こり、アメリカの傀儡・サアカシビリ政権ができました。ジョージア(旧名グルジア)の反ロシアはどんどんヒートアップ。そして、08年8月、ロシアーグルジア戦争が勃発しました。
もちろん、小国ジョージア(旧名グルジア)は完敗。
この戦争後、ロシアは、ジョージア(旧名グルジア)からの独立を目指す、南オセチア、アプハジアの独立を承認します。
ジョージア(旧名グルジア)は、アメリカに利用された結果、二つの自治体を失ったのです。
たとえばウクライナ。
ウクライナは、2014年2月の革命で、親ロシア・ヤヌコビッチ大統領が失脚。選挙を経て、反ロシアのポロシェンコが大統領になりました。
ポロシェンコは、ロシアの支援を受ける東部ドネツク、ルガンスクとの戦争を続行。この期間、バイデンさんをはじめとする米政界の大物が頻繁にキエフを訪れ、ポロシェンコを指導していました。
要するに、ウクライナもアメリカの「駒」として利用されている。
その後どうなったか?
「AIIB事件」で、アメリカ最大の脅威は、ロシアでなく中国になった。それで、ケリー国務長官がプーチンと会い、和解に動き出しました。
ウクライナは、今アメリカと欧州から捨てられようとしています。そして、東部の領土も、「事実上」失うことになるでしょう。
もう一国。今度は、中国に利用されている国。
そう、韓国です。
韓国はここ数年、狂ったように反日プロパガンダをしています。実をいうとこれ、「中国の戦略に乗ったから」なのです。
結果、韓国は、日本を完全に敵にまわしてしまった。そればかりか、アメリカの信頼を完全に失っています。
私たちは、ジョージア(旧名グルジア)、ウクライナ、韓国など、大国に利用されてひどい目にあった国々から教訓を得るべきです。
繰り返します。
日本は、アメリカとの関係をますます強化していくべきです。
日本は、インド、オーストラリア、東南アジア諸国、ロシアなどとの経済、軍事関係をますます強化していくべきです。
日本は、アメリカのお墨つきを得て軍事力を強化し、軍事的自立にむかっていくべきです。
しかし、日本は中国を挑発するべきではありません。
「(日米主導の)アジア開発銀行(ADB)と、(中国主導の)アジアインフラ投資銀行(AIIB)、協力してアジアの国々を豊かにしていきましょう!」
などと、「キレイごと」に終始するべきです。
あくまでも目指すのは、アメリカを中心とする中国包囲網の形成なのです。
今日の格言:
「はしごを外される可能性を、一時も忘れるな」
『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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