日本に来る訪日外国人の数は増加をたどっていますが、その動向に合わせて様々な場所で英語力の強化が求められています。メルマガ『エアライン直伝 接客の悩みをスッキリ解決する方法』の著者が元国際線客室乗務員の経験から、よくあるマニュアル的な接客ではなく外国人にとって本当に必要なものを伝えていくことの大切さを説明しています。
訪日外国人の数が増え、接客も英語対応へ
どんどん増え続ける訪日外国人の数。
官公庁の調査によると、外国人が訪日前に期待したこと、訪日後次回したいことのトップは、「日本食を食べること」となっています。
しかしながら、外国人は言葉が通じないことに不自由を感じて、英語が話せる人がいるレストランなどに集まりがちになるという現状があります。
こういった外国人の需要にこたえようと、レストランなどの飲食店では英語メニューの表記にしたり、従業員の英語力に注力するところも増えてきました。
訪日外国人の恩恵にあずかって利益を上げたい、と言うところは多いはずです。
接客英語に関する本も出ていますが、本当の意味で外国人に喜ばれ、人気となるお店を目指すのであれば、マニュアル的な接客用語だけ話して満足してはいけません。
もちろん英語力が高いことに越したことはありませんが、お客さまが困らないように、楽しんでいただけるように、ということを前提に英語を話すことをより意識するべきです。
極端な話をすると、「ご注文は」「こちらが〇〇です」といった表現は接客で必須のように思うかもしれませんが、実際は話さなくても動作やジェスチャーで伝えることができます。
そういったマニュアル英語ではなく、外国人にとってわかりづらい部分の説明にポイントを置くと外国人が安心して食事ができるようになります。
「この香辛料はこの料理に使ってください」「ラーメンだけじゃなく餃子も注文すると楽しめるよ」など、その店にあるメニューの選び方や食べ方などについて、単語だけでもいいので伝えることのほうが喜ばれます。
たとえば日本人にとっては当たりまえの醤油ですが、外国人にとっては全く初めての体験なので、ソースのようにどっぷりかけてしまう、というようなことが起きてしまったりするわけです。
私たち日本人も、海外のレストランで「この香辛料はなんだ?」とわからずに食事を終えてしまった経験ってありませんか?
客室乗務員時代、飛行機の食事の一品としてざるそばが提供されていた時、日本人はトレーにセットされている麺つゆをかけて食べますが、外国人は説明がないと食べ方がわからずに「つゆなしのざるそば」を食べてしまっていた、という経験を思い出しました。
文化的な嗜好の違いもあるでしょうが、せっかく日本食を体験するのなら、一番おいしい状態で召し上がっていただきたいですよね。
そのようなただのマニュアル的な会話ではなく、外国人の方にとって安心できる、喜ばれる会話こそが、外国人には求められるものではないでしょうか。
単に”注文をきく”、”食事を運ぶ”、だけではなく、お客さまがいちばん快適な状態で楽しめる状態を提供することが選ばれる理由になるはずです。
こういった心から相手を想った英語を使うことが日本のおもてなしかもしれませんね。
image by: Shutterstock
元大手航空会社の国際線客室乗務員、CAの教育担当をしたインストラクターの目線から、今すぐできる接客の秘訣をお伝えします!
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