現役医師で野菜ソムリエの資格も持つメグ先生こと宮田恵先生が、日々健康に生きるために欠かせない、数々の知恵を授けてくれる人気のメルマガ『森の診療所から始める 旅こそアンチエイジング』。今回ご紹介するのは、メルマガ読者の方から寄せられた、カビによるアレルギーにどうやって備えれば良いのかという、この時季ならではのご相談です。
梅雨時はカビによるアレルギーが心配……
これから梅雨入りし、カビによるアレルギーが問題になると聞きました。カビなので掃除をしっかりしたらいいのかもしれませんが、カラダの免疫力を上げることも大事かと思います。そこでカラダの免疫力を上げられる食材、料理があれば教えていただけますか。
宮田先生の回答
いつも購読くださいましてありがとうございます。
たしかに梅雨の時期、湿度が高くなるとカビ発生が心配です。「クラドスポリウム」、「アルテルナリア」などの浴室やトイレなどによく出現する黒っぽいカビが目立つ時期です。 カビの胞子が呼吸器から侵入することによってアレルギー症状を起こすことがあります。 血液検査では3割くらいしか陽性に出ないので判定の基準は臨床症状です。 空調設備からの暴露もあり、目につかない場所のカビも要注意です。
「免疫力をあげる」というより「免疫機構のバランスを安定化する」ことと、気道粘膜を丈夫にする、この2点が重要です。
腸内環境を整えて免疫のバランスを保つ食からの方法は、シンバイオティックス(プレバイオティクスとパラバイオティクスともに考える)療法がいいでしょう(小児食育科を参照)。腸内細菌のエサであるオリゴ糖を根菜類から取りましょう。また気道粘膜を丈夫にするためにはビタミンA、気道粘液を潤滑にするにはムチンの多い食事(オクラ、長芋など)を摂取しましょう(こちらは十分な根拠はありませんが……)。
それより慢性の暴露で過敏性肺炎などの面倒な疾患にならないよう、やはり掃除はこまめにし、カビの繁殖を極力抑えるようにしてください。 カビは不健康な場所が大好き、人間も免疫力がかなり低下してくると日和見感染としてのカビ感染症が問題になります。