ブログにもあるんだよ、「トラックバック」って文化が!
ラッパー同士がディスや対決やお互いのことを歌にする文化を見てて感じたのは
「これ、はてなブロガーで言えば、トラックバックによるプロレスだよね?」
と親近感を感じた。
ラップと違って面と向かって即興をするわけではないが、ブログにも「俺はこう思う」という記事に対して「いやいや、そうじゃないでしょ」と他人のネタから手紙を受け取っては繋いでいく文化がある。
そして、ラッパーほど明確ではないが、それをオーディエンスが投票して勝ち負けをつける「はてなブックマーク」というサイトがある。
この辺のやり取りをはてな内では感情を相手にぶつけてくことを「くねくね」、特定の相手とやり取りが続くと「プロレス」オンライン上で「ディスる」ことを「手斧を投げる」と言って、1つの文化を形成している(それも最近とかじゃなくて、10年ぐらい前からある、ブロガー文化の伝統的な内輪揉めの様式だ)。
最近、僕が絡んだ奴だと「メディアクリエイター論争」というのがある。
まず、僕が昔のことを全然知らないまま「ブロガーつまんね」とかリアルの場で言った人に、「お前らは何もわかっちゃいねー」みたいな記事を書き、
それを見た、「ブロガーつまんねー」って言った人が「お前なんか相手にしてねーぜ」としかサラッと俺に触れないようにしながらも、「これからの時代メディアクリエイターッスよ」と書くと、後はもみくちゃ。
若者はメディアクリエイターに反対な人をオッサン呼ばわりで自分の立場を主張。
年配のブロガー達は若者をスパーンとひっぱたくような記事を返す。
さらには、この揉め事に乗じてネタを披露するものまで出てくる。
例: 銭湯で自分のメディアクリエイターを隠すのか隠さないのか
ブロガーってむしろ、お金儲けとか、テレビに出るとか、新しいライフスタイルを提示するとかそんなもんじゃないんですよ。
こういうくだらない内輪揉めのために凝った文章が書けるのがブロガーなんです。
くだらないことを書いているから「どうせごく一部だろ」と思われるかもしれませんが、おっさん二人に関してはブログで本も出してます。
この中の登場人物はほぼ全員10万PV以上、ブログの購読者で言っても1000人超えてる奴が半数以上です。(僕も本以外は該当します)
この辺の内輪揉めだけならどの界隈もやってること。
しかし、ラッパーとブロガーが近いと思ったのは「自分のリズム・文体で返事を返すため、人々のやり取りを見てるだけで、違うリズムを行き来する」というものだ。
ラッパーにも、
「リズム通り歌えてる人」
「早口でまくし立てる人」
「リズム自体が外れててそんなにうまくない人」
がいる。あとは韻を踏めてるかどうかとかね。
これはブログも同じで、
「感情がしっかり乗ってる文章を読み物として書ける人」
「他の書類を書くような感覚でしか書けぬ人」
「学者っぽく正確だけど、固くて読みにくい文章」
を書くやつがいる。
ラップバトルの勝敗にリズムが影響するように、ブログバトルでは文体が影響してくる。粗雑な口喧嘩のようでいて、高度なブログバトルはタイトル釣りによるキャッチコピーバトルであり、文体バトルであり、キュレーションバトルでもある。
下調べして知識や相手の過去の失態で攻める「キュレーションバトル」なところはどちらかと言うと学者文化、オタク文化、モヒカン族の文化の影響が強い。
しかし、ブログ独自のバトルであるタイトルで指示を集めていくキャッチコピーバトルや、中身の文章で飲み込んでいく文体のバトルの方は、ヒップホップの文化圏に近いものを感じた。
「ブログの中にあるものをもっとスピード感や芸術性重視でやるとこうなるのか」
というある種の進化形を見せていただいた気がした。
…というわけで、後半のようなトラックバック文化とか、インターネット上のコンテクスト文化が大好きなヤツは、フリースタイルダンジョンを見ましょう♪
「ここまで、俺達と似てることをやってるのにかっこ良くできるのか!」と感動もするし、新しい可能性を感じますから!
image by: Shutterstock.com
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