35年連続1位。老舗旅館はなぜ「1度は行ってみたい」と思わせるのか

 

ユニークな取り組みでガッチリ

普通の日本の温泉旅館というと1万5,000~6,000円から2、3万円が相場で1泊2食付きで泊まれる。ホテルに比べると価格は高いが、食事がつくということを考えると2万円前後であれば妥当な金額という感じがする。続いて、中規模の温泉旅館での面白い取り組みの実例を紹介したい。

山形かみのやま温泉の古窯(こよう)は銀座などにもお店があり、とにかくサービスを一生懸命やっている旅館。1、2ヵ月に一度手書きの新聞を作って顧客に送付している。この新聞にはお客様からの意見や苦情も掲載し、その対応も合わせて掲載している。手書きなので人間味あふれ、珍しい取り組みで人気を博している。私も何度か宿泊したことがあり、今だにこの新聞を送付頂き、楽しみに読ませて頂いている。

ニーズをどう把握するのか

これは顧客のニーズを取り込み、それらを自分たちで発信していくサイクルにしている。いまや海外から2,000万人近くが日本を訪れる時代となり、これからの旅館には日本人のみならず様々な国の人が訪れ様々な価格帯のニーズがあることをどう自分たちが取り込んでいくのかということが重要である。

海外から来る方の中には我々が把握していないような安くてアットホームな旅館に宿泊されている方もいたり、アパホテルでは2,000人宿泊できたり屋上に露天風呂を設けたりしている。それぞれの旅館が様々な工夫をしないと生き残っていけない時代となっている。

※ブログでは、山形・かみのやま温泉の古窯の画像を掲載しております。興味のある方は合わせて参照ください。

時代を読む

(TBSラジオ「日本全国8時です」4月26日音源の要約です)

image by: Shutterstock

 

ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」
ジャーナリスト嶌信彦が政治、経済などの時流の話題や取材日記をコラムとして発信。会長を務めるNPO法人日本ウズベキスタン協会やウズベキスタンの話題もお届けします。
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