2015年夏、世界的にも稀な“トイレ”をテーマにしたアートプロジェクト「トイレンナーレ」が開催されます。7/18~9/23期間中に大分県大分市中心市街地で開催されるこの芸術祭のコンセプトは“ひらく”。内容を聞いても聞いても頭の中がハテナ?でいっぱいに、でも今すぐトイレに駆け込みたくなる衝動に駆られますが、一体どんなトイレアートが繰り広げられるのでしょうか。
トイレはアートになれるのか?
実はトイレアートの歴史は古く、1917年に既製品の男子用小便器に「リチャード・マット」と署名されたマルセル・デュシャンの作品「泉」がはじまりとも言われます。結果的には展示を拒否されてしまった「泉」ですが、のちの芸術家に大きな影響を与え、減退アートの始まりを告げたとも言われます。
そして昨年2015年、「泉」から98年の時を経て“不可欠な「トイレ」と、なくても生きていける「現代アート」”の融合が実現されたのが、今回大分市で開催される「トイレンナーレ」なのです。
異文化に寛容な大分市だからできる大胆企画
かつて大分市はキリシタン大名として名を遺した大友宗麟にはじまり、南蛮貿易が盛んにおこなわれ、キリスト教と西洋文化をいち早く受け入れた貿易都市として栄えました。多用な異文化を積極的に受け入れてきた歴史とともに、小さな文化の集合体として独自の文化を歩んできた大分市が、「トイレンナーレ」の開催を経て異質の組み合わせから新しい価値を創出します。
“スイーツなトイレ”に思わず食欲?ちょっとリアル…だがそれがいい。
現在、トイレンナーレ開催を前に過去の「トイレンナーレ」作品が先行展示されています。斬新すぎるトイレを、あなたは使ってみたいですか?
メルティング・ドリーム(平成26年度作品 ふないアクアパーク)
完成から20年がたち、まちの空気と化した公衆トイレを3人の女性アーティストが楽しいファンタジックな空間へと生まれ変わらせる!女の子なら思わず「かわいい!」と言ってしまう…かもしれない斬新な公衆トイレは、昼と夜で違う顔を魅せてくれますよ。
現代美術史講座「現代アートはどこからきたのか」(平成26年度作品 大分フォーラス5F)
現代美術家 眞島竜男さんによる1時間に及ぶ講座型パフォーマンス作品。歴史の中で美術が辿ってきた変遷と現在を、独自の視点で紐解きます。大分駅から徒歩5分、大分フォーラス5Fの男子トイレ個室、女子トイレ個室に設置されているそうなので、日本初の“公認”連れションが実現するかも!?
北風と太陽 ~考えたってしょうがないじゃん~(平成25年度作品 wazawaza)
大分市中央町のwazawazaテナントビルでは、人間の内面に着目した人体像を制作する造形作家、川崎泰史による作品を展示。この作品には「力まずに、肩の力を抜いて物事に臨んだ方がうまく行くこともある」というアーティストからの等身大のメッセージが込められているそう。
色、カタチ、生命/letter~酔狂~(平成25年度作品 グランドノイズ)
グラフィックデザイナーSUIKOが考えたのは、“回転率がマストのトイレでいかに長居をさせるか”。花畑やアーティストのメッセージから構成されたドラマティックなトイレ空間がそこにはあります。
その他、先行展示として合計6作品が大分市内各所に展示されています。「トイレンナーレ」2015年度作品は7/18より公開。見れば見るほどトイレが近くなるトイレの芸術祭「トイレンナーレ」の世界を体験してみてはいかがでしょうか。
Source: トイレンナーレHP、トイレンナーレFacebook
文/まぐまぐ編集部