愛犬が他の飼い犬に噛みついた!いくら慰謝料を払えばいいのか?

 

今回のケースで言えば、飼い犬の散歩中に同じく散歩中だろうと思われる他人が管理する犬に噛み付いたということ。この場合、(リードなどでしっかり飼い犬をコントロールすることは必要な管理であることは大前提ですが)相手方にも一定程度注意をする義務がある状況といえます。

加えて、飼い犬が他の飼い犬を噛んでケガをさせた場合、損害賠償の主たる内容は治療費になります(それ以外には、ドライな言い方で申し訳ないですが、耳が元に戻らないかもしれないという犬の価値が減少した点についての損害というのが考えられます)。

したがって、お互いに管理に不行き届きがありそうな状況で、そもそも治療費全額の支払う必要があるかというと疑問符がつきます。また、慰謝料(精神的苦痛に対する損害賠償)について、近年、これを認める裁判例も出てきていますが、基本的には死亡もしくは重度の傷害を負ったケースに限られると考えてよいでしょう。

ご相談者自身もペットをかわいがっておられる立場にあり「申し訳ない」という気持ちがあろうかと思いますが、法律だけでドライに考えると上記のような回答となります。

「場合によっては治療費の一定程度の負担でも十分なのではないか」ということを頭の隅に置いて、相手方の飼い主に対して真摯に謝罪し、双方が納得の行く治療費などの負担割合を話し合われてはいかがでしょうか。

[関連情報]:犬同士のトラブル。どちらが悪い?

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