安倍総理が伊勢志摩サミットですべき、「たった1つのこと」

 

総理の訪ロは、「アメリカ覇権維持のため」と説明せよ

安倍総理は、きっとオバマさんと話す十分な時間があることでしょう。そのとき、オバマさんとしては、「ロシア訪問がどうだったのか?」総理の口から聞きたいに違いありません。

総理は、「私のロシア訪問は、アメリカの覇権維持のためである!」と堂々と主張すべきです。どういうことでしょうか?

自滅する中国』(著:エドワード・ルトワック、訳:奥山真司)を読んで、「日本の役割を悟った」という話をします。

  • アメリカの覇権をおびやかしている国は、世界でただ一国中国だけである。
  • 中国は、尖閣、沖縄を狙っているので、日本はその脅威をより身近に感じている
  • ルトワック本によると、米中関係が悪化したとき、アメリカは中東→中国の資源の流れを止めることができる(つまり、エネルギーがなくなって、中国は戦うことができなくなる)
  • しかし、中国と陸続きの資源超大国ロシアから、石油・ガスがふんだんに供給されれば、中国は「無敵の超大国」になる
  • そうなると、アメリカの覇権は終わる
  • 「日本は、ロシアと接近することで、中ロを分断させろ!」と世界的戦略家ルトワックがいっている

そして、「自滅する中国」の英語版をオバマさんにプレゼントすればよいでしょう。実際、日本、アメリカ、ロシアが一体化することは、アメリカの覇権維持に役立ちます。しっかり理論武装して、自信をもってオバマさんに主張すればいいでしょう。

ルトワックは、日米ロ関係をどうみるか?

ちなみに、ルトワックさん。日本、アメリカ、ロシアの3国関係をどう見ているのでしょうか? 全国民必読の超名著『中国4.0 暴発する中華帝国』には、こうあります。

日本にとってロシアとの関係が重要だとしても、日米関係はそれ以上に重要である。現状で日本がロシアとの協力関係を進めようとすれば、アメリカからの批判は免れない。
(p146)

そして、ルトワックさんは、「日ロ首脳会談」と、それに対する「アメリカの反応」について予言しています。

とりわけプーチン大統領との首脳会談は、シリアで失敗したオバマ大統領に、さらに大きな恥をかかせることになる。
(同上)

そうはいっても、ルトワックさんは、「だから日本は、ロシアに接近するな!」とは言いません。

短期的には、今日の日本政府の日常業務のなかで、アメリカとの連携は最優先事項だ。そういうなかで同時に長期的な視点も見据えながらロシアとの関係も構築していくのは骨の折れる作業だが、日本にとって極めて重要なのは明らかだ。
(p147)

つまりルトワックさんは日本に、「アメリカとロシア両方と仲良くすることが重要だ」と言っているのです。

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