「業務スーパー」の栄光と挫折。インサイダー取引疑惑で最悪は上場廃止も

 

「食品スーパー界のユニクロ」業務スーパー急成長のカラクリ

神戸物産は1981年に創業しました。当初は普通の食品スーパーでしたが、2000年頃に「業務スーパー」を開店し、事業モデルを大きく転換しました。

神戸物産の事業モデルは、自ら食品の製造工場を持つことで、製造から販売まで一貫して自社で行うことができる仕組みです。これにより、単純に商品を仕入れるよりも大幅にコストを削減できます。これはSPA(製造小売り)と呼ばれ、アパレル業界ではユニクロが代表的です。

つまり、神戸物産は食品スーパー界のユニクロなのです。

自社工場を持つことで、コストが削減できるだけでなく、顧客のニーズに合った独自商品を作ることができます。

業務スーパーでは、飲食店などの業者を対象とした「まとめ買い」ニーズに対応する商品を製造・販売し、他のスーパーにはない独自性を発揮しています。

店頭に行くと、大きな容器に入った大量の冷凍食品などがずらりと並んでいるのを目にします。買うつもりがなかったとしても、珍しさと値段の安さからついつい買い物が楽しくなってしまいます。独自性が話題を呼び、飲食店だけでなく一般の消費者にも受け入れられるようになってきました。

最近では、牛乳パックに入った水ようかんやレアチーズなどがインパクトのある商品としてネットで話題になりました。

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出典:神戸物産 会社説明会資料(2016年1月27日)[PDF]

 

独自性を武器に、神戸物産は急激に事業を拡大しています。売上高は10年で2倍以上に成長しました。2015年10月期の店舗数は約700店舗、売上高は約2,300億円となっています。最近では、業務スーパー以外にも飲食店などを買収することで多角化を行っています。

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