「業務スーパー」の栄光と挫折。インサイダー取引疑惑で最悪は上場廃止も

 

最悪上場廃止の可能性も。コンプライアンスのリスクは重大

神戸物産のPERは約11倍と、成長企業に対する評価としては割安な水準にも見えます。

しかし、自己資本比率の低さに伴う財務リスクや、上場企業としてのコンプライアンスのリスクは成長性を覆い隠すほど大きいように見えます。

コンプライアンスのリスクは最悪上場廃止の可能性を含んでいるので、もしそうなった場合株価は急落し、株式を保有したまま上場廃止になると売却の機会を失ってしまいます。

どんなに成長性があるように見えても、コンプライアンスの怪しい企業の株式は、長期投資ではおすすめできません

過去最大というインサイダー取引の規模から考えても、今回の問題の根は深いように思われます。神戸物産のビジネスモデルは一目置く価値がありますが、リスクはあまりに重大です。

問題が解決し、同社の社内体制が「適正」となるまでは、投資は慎重になったほうがよさそうです。

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栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大和証券にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。
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