コメダ珈琲の「無料モーニング」に客が飛びつく第二のワケ

 

コメダの絶妙なポジショニング

こうした魅力的な商品をくつろいで楽しむことができるのがコメダの魅力です。そして、コメダの特徴として顧客の年齢層が比較的高いことを挙げることができます。シニア層も少なくありません。また、ファミリーでの来店も見受けられます。このことは、差別化の要因として挙げることができます。

コメダの顧客層は大手の競合と大きく重複しません。たとえば、スターバックスのメインターゲット層は若者です。ドトールはビジネスパーソンです。タリーズは前者よりも年齢層がやや高くなる程度です。コメダはこうした大手競合と異なる顧客層を取り込むことに成功しています。

また、コメダはロードサイドを中心に出店してきたため、大手の競合とは直接の競争を避けることができました。名古屋をはじめとする中京エリアを中心に出店してきたことも競争回避につながりました。

コメダ珈琲店の16年4月末の出店状況は、中京エリアが343店舗、東日本エリアが172店舗、西日本エリアが166店舗です。このことから、これまでは中京エリアで成長し、これからは関東や関西を中心にさらなる成長が期待できると考えることができます。また、16年4月末の海外での出店は上海の1店舗のみのため、今後は海外への出店も広がっていくことでしょう。

以上のことから考えてみると、コメダの好調な業績を支えているのは名物となるメニューの存在に加えて、「絶妙なポジショニング」にあると考えることができます。ニッチすぎず、かといって大手と直接競合しないある程度の旨味のある市場に結果として位置し、そこで弛まぬ努力を重ねたことが成功につながったといえます。コメダの快進撃はまだまだ続きそうです。

image by: コメダ珈琲店 公式Facebook

 

店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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