保育所付きマンションを「築4年」の中古で買ってはいけない深い理由

 

保育園探しで苦労した経験がある方には今さらですが、大型複合マンションで、認可や認定の保育園の施設を併設している場合、これは、自治体からかなりの補助金が出ていて、こんな保育園不足の時代ですから、ずっと継続していくことはほぼ間違いないですが、でも、これは、マンションの中にあるからと言って、マンションの住民優先ではありません。自治体の基準で、必要度の高い人、つまり点数が高い人から順に入所の権利があるのです。

切羽つまっている人は、無認可保育園に、お給料なんて全部吹っ飛んでしまうぐらいたいへん高額な保育料を払ってでも何か月か保育園に入れて(無認可保育園での保育実績があると認可保育園入所の点数が加算されるので)認可保育園入所を目指します。

で、マンション内に分譲当初から設置されている無認可保育施設は、そんなに高い費用でなく、マンション住民優先で子供を預かってくれるので、それは保育園探しに不安を抱えている人には魅力的な施設で、それに惹かれてマンションを購入する人も多いのです。その需要を狙ってディベロッパーは保育施設を付ける訳です。

でも、誰が、その保育施設の運営費を払っているかです。ディベロッパーが当初の5年間(の場合は多いです)その運営費用のかなりの部分を持って、運営会社を誘致しているのです。

じゃあ、5年たったら、どうするかです。もし、その保育施設を続けてもらうには、それ相応の運営費用を管理組合が負担しなければならないのですが、簡単に管理組合が負担できる金額じゃないので、たいていは5年で終わりです。

一時保育やマンション外の希望者も入れ、利用料を値上げして何とかしばらく続けてもらうこともありますが、自立して無認可保育園を運営できるようになることはかなり難しいことなのです。

5年というと、新築時に切羽詰まって保育園を求めていた人の需要は何とか満たせますが、中古で築4年目で保育施設に惹かれてマンションを購入すると厳しい現実が待っています。

実際に、保育園廃止を巡って大問題になっているマンションもあります。

image by: Shutterstock

 

まんしょんオタクのマンションこぼれ話
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