なぜ米国で「ポケモン」が特別な存在なのか? 現地NYからの分析

 

ヒットの理由

上述のとおり、現在、アメリカで、空前の大ヒットとなり、あちこちで社会現象を巻き起こしている「ポケモンGO」が、「なぜ、ここまで大ヒットしたのか?」についての報道もいろいろと報じられている。

基本的なところでは、「宝探し」的な楽しさや、人間がもともと持っている「狩猟本能」を刺激するから、といった理由。

アメリカにおけるポケモン人気の高さについて指摘する声も多い。

あるいは、スマホの位置情報トラッキング技術や拡張現実機能などの最新テクノロジーを活用しつつも、子ども向けのゲームなので、比較的分かりやすく仕上がっていると評価する記者もいる。

これらの最新テクノロジーは、近年、急速に進化・発展しており、特にニューヨークでは、広告宣伝やアート展示などで様々な活用事例がすでに多数報じられ、潜在的に興味や関心を持つ人々もかなり多いと推察されるが、最新技術なだけあって、試すのが面倒くさかったりとっつきにくいという印象が強く、そのイメージが普及の障壁になっていたが、「ポケモンGOはその壁を初めてぶち破ったと見られている。

ちなみに、「ポケモンGOの開発・運営には、同じく、位置情報トラッキング技術や拡張現実機能を使って、陣取り合戦やスタンプラリーなどの要素を楽しめるスマホ向けゲーム・アプリの「イングレス」(Ingress)を作った「ナイアンティック・ラボ」(Niantic Labs、Googleの社内ベンチャーで2015年8月に独立)が協力している。

なお、そのナイアンティック・ラボは、7月16日、東京で1万5000人規模の参加を見込むイベント「AEGIS-NOVA TOKYO」(イージスノヴァ東京)を開催しており、流行や最先端技術に敏感な一部の人々の間では、日本を含め、世界的に人気を得ている。

また、「ポケモンGOのゲーム内のアイテムを使って、集客アップや売上げアップに成功したお店が出てきたことも人々の興味や関心を引き付けた理由の1つであることは間違いないだろう。

ニューヨークにあるピザ屋、L’Inizio Pizzaのマネージャーが、たまたまポケストップになっていた自分のお店に、「ポケモンGO」のゲーム内でポケモンを呼び寄せるアイテムを試しに10ドル分購入して置いてみたら、そこに集まるポケモンを捕まえるためにやってくるお客さんがどっと増え、その日の売上げがなんと75%もアップしたとニュースにもなっている。

このピザ屋の他にも、すでに類例は多数報告されており、世界の広告産業の首都とも呼ばれるニューヨークの広告業界は、「ポケモンGO」を活用し、何か新しいより効果的な広告宣伝やプロモーションができないかと、右往左往の大騒ぎだ。

他にもいろいろ、例えば、上述のツアー・ガイドとしても役に立つといった指摘なども含めて、様々な視点から、「ポケモンGO」がヒットした理由は挙げられており、どれも一理ある。

複数の理由が組み合わさってヒットした、とも言えるだろう。

しかし、それにしたって、あっという間にこれほどの社会現象を巻き起こし、業界の記録や常識をすべて塗り替える勢いで、史上空前の大ヒットになった背景には、何かもっと重要で本質的な理由が潜んでいるはずだ。

その理由とは、たぶん、

『近年のアメリカで、日本のポップカルチャーや日本文化の象徴的存在になっているNintendoとPokemonによるコンテンツとしての魅力があったから…』

ではないだろうか?

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