フィリピン、中国との二国間協議を拒否
中国の「希望の星」であるドゥテルテ新大統領。早速期待を裏切りました。なんと、早々に「中国との二国間協議」を拒否したのです。
比大統領「中国と交渉しない」=南シナ海領有権、譲歩せず
時事通信7月19日(火)22時37分配信
【マニラ時事】フィリピンのドゥテルテ大統領は19日、米議会代表団とマニラで会談し、南シナ海の領有権問題で中国と交渉する計画はないと明らかにした。大統領は、南シナ海問題をめぐる12日の仲裁裁判所の判決を受け、領有権問題で特使を派遣するなどして中国との対話解決を模索したが、改めて譲歩しない強気の姿勢を示した形だ。
会談に参加したクリス・マーフィー米上院議員のツイッターによると、会談でドゥテルテ大統領は南シナ海問題で中国と交渉する計画はないことを表明。また南シナ海の主権に関しては中国と取引せず、フィリピンの全面勝訴に終わった仲裁判決について「交渉の余地はない」と指摘した。
仲裁判決について、「交渉の余地はない!!!」そうです。なぜ、こんなことになったのでしょうか? 実をいうと中国の「自業自得」なのです。
南シナ海問題 フィリピンは中国との協議拒否 王毅外相が持ちかけも「仲裁裁定無視が前提だった」
産経新聞7月19日(火)20時36分配信
【シンガポール=吉村英輝】フィリピンのヤサイ外相は19日、南シナ海問題に関する二国間協議を中国の王毅外相から持ちかけられたが、「仲裁裁判所の裁定を無視する」ことが前提条件だったため拒否したと明らかにした。地元テレビのインタビューに答えた。
「仲裁裁判所の裁定を無視する」ことが前提条件…。フィリピンからすると、「ふざけるな!」ですね。仲裁裁判所で勝利し、国際的に「中国の主張は、インチキ。フィリピンの主張は、全面的に正しい!」と認められた。だから、国際社会は、「フィリピンと中国の領有権問題があるところは、フィリピン領である!」という認識になった。フィリピンが完全に有利な状態にあるのに、不利な立場にいる中国は、「仲裁裁判所の判決を無視することが二国間協議の前提条件だ!」という。フィリピンからすれば、「別に交渉する必要はない。国際社会は、フィリピンが正しいことを認めているのだから」となるに決まっています。しかも、中国の態度は、非常に「問題あり」でした。
ヤサイ氏は、先週に行われたアジア欧州会議(ASEM)首脳会議へ出席するため訪れたモンゴルで、王毅氏と対談。「フィリピンの憲法や国益、国際法のルールにそぐわない」と、裁定を無視した二国間協議の提案を拒否したとした。
王毅氏からは「仲裁裁定に言及しそれに沿った議論をするなら、(両国は)敵対することになるだろう」と圧力を受けたという。
(同上)
「仲裁裁定に言及しそれに沿った議論をするなら、(両国は)敵対することになるだろう」
これは、中国の外相が、フィリピンの外相を「脅迫」したのです。脅迫されて、「すいません、仲裁裁判所の判決は二度と口にしません!」となりますか? 普通に考えれば、「マフィアみたいな中国と組むのはやめて、アメリカに走ろう!」となるでしょう。