松下幸之助が考え抜いた末に悟った「経営のコツ」とは何か?

 

茂木健一郎さんは『プロフェッショナル達の脳活用法』のなかで、人の「勤労意欲」の源泉が知られるおもしろい実験例を示しています。子供にいろんな作業をさせて一方のグループには「よくできたね」と褒めて、もう一方にはおもちゃなどの品物を与えました。これらを繰り返していたら、その後に対照的な結果がで出てきました。

結果を言うと、褒められたグループは作業をやろうとするが品物を与えられていたグループは作業をやらなくなってしまったのです。この結果は特殊な事例ではなく「動機付け衛生理論」という心理学の一般理論でもあり、人は金銭報酬なくして働きませんが人をして喜んで「働く意欲をもたらすモノはもっと別のものであると言えます。

人は褒められることが大好きで、社長から上司から仲間からそしてお客様からさらに自分自身からも、この欲求を満たすことが経営のエッセンスです。松下さんが示した「水道哲学」と言うミッションは、お客や社会を幸せにすることで自分の貢献を褒めることができ、それをより良く実現させることで利益がえられ報酬も増えて家族を幸福にできるという好循環を生みます。

これがミッションのあり方ですが、不思議なことに一部の強みを持つ企業以外では褒める仕掛けがありません。もちろん、額に掲げられたミッションや理念や社是を持っている企業は結構ありますが、儲け話があるとどこへでも行き失敗するとまた帰ってきて社内にあるのは不良在庫と社員の無気力だけというケースもよくあります。

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