蓮舫氏に早くもシラケムード。野田幹事長起用で「民進党は終わった」

 

しかしその後を継いだ野田は、何かしら戦後日本を蝕んできた自民党的構造を転換しようとして1つでも戦いを挑んだろうか。何もしようともしなかったばかりか、逆に鳩山・菅両政権の挑戦が引き起こした「混乱」(と自民党やマスコミが呼んだもの)を収めて元の木阿弥にするようなことばかりした。自民党と親米売国官僚どもの注文通りにTPP交渉参加への道を整備したのは野田であり、官邸前の原発反対の市民デモを「うるさいなあ」と言って原発再稼働を許したのは野田であり、オスプレイの沖縄日本配備を易々と認めたのは野田であり、自民党と財務省が望んだ消費増税を自分の方から言い出して、小沢グループの大量離党による党分裂を招き、挙げ句の果てに負けると分かっている総選挙を打って173人の同志を落選させて大敗、第2次安倍政権誕生への道を掃き清めたのは野田である。

さらに、総理時代に「いざという時は集団的自衛権の行使に相当することもやらざるを得ないことは、現実的に起こる訳だから、原則としてはやはり認めるべき。しかし乱用されないように歯止めをかける手段をどのように用意しておくかの議論が大切」と、自民党と同工異曲のことを言って安倍の安保法制強行に予め同意したのは野田であり、尖閣の安易極まりない「国有化」で対中関係を悪化させ、安倍による「中国脅威論の流布にきっかけを与えたのも野田である。

こうして列記すれば明らかなとおり、安倍政権で起こったすべての悪いことは野田政権で下地が作られていた。そのことを本誌は12年秋当時「自民党野田派の誕生」と呼んだ。

鳩山と菅が、力量と経験の不足故に失敗したことは認めよう。しかしそれは戦後自民党的構造と戦って敗れた結果であってC級戦犯程度であるのに対し、野田の失敗は質が違っていて死刑相当のA級戦犯である。彼にほんの少しでも良識があるのなら、12年12月に自民党に政権を譲り渡すことが分かりきっている総選挙を発動した時点で、英キャメロン前首相のように、潔く議員辞職をしてしかるべきだった。その思い出したくもない人物が、おめおめと議員を続けていること自体が不快であるというのに、再生を目指す民進党の幹事長? 蓮舫を後ろから操る実質的な党首? 冗談もいい加減にして貰いたい。

それもこれも、同党が3年間の政権の経験から何を救い出し、何を排除すべきなのか、総括していないが故の体たらくである。

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