蓮舫氏に早くもシラケムード。野田幹事長起用で「民進党は終わった」

 

野田の戦犯性

この有様は、第1に、同党が民主党政権の失敗について何も総括できていないことを示した。

私自身は、民主党政権の3年間を印象批評のようにして「失敗のひと言で片付けることには反対で、「コンクリートから人へ」のスローガンの下、大型公共事業を思い切って削減してそれを省庁の壁を超えて文教予算に回して高校授業料の無償化や30人学級の増加などを実現したり、医療・福祉予算を増やしてその分野の雇用を2年間で62万人増やしたり、農業を補助金漬けから脱却させてゆっくりと市場経済に適合させていくことを目指してEU型の戸別所得保障制度を導入したりした。

代表選の論戦の中では、前原誠司が「民主党政権が国民の期待に応えられなかった」と深々と頭を下げて陳謝し、それに対して玉木雄一郎が「羽田空港の国際化も、外国人観光客のビザ緩和も、前原さんの国交相としての功績じゃないですか。謝らないで下さい」と涙ながらに諫める場面もあったが、個別政策では面白い挑戦的な実験がいくつも行われたのであって、これもその1つだった。

そういったことの1つ1つをきちんと評価して、何が出来て何が出来なかったのか、ここまでしか出来なかったのは何が障害だったのかを明らかにし、その先に同党が目指す社会のあり方を描いてみせることが必要だったはずだが、そのような作業は全く行われてこなかった。

それはさておき、この場面で何より問題なのは、同じ「民主党政権の失敗」と言っても、鳩山菅両政権の失敗と野田政権の失敗は質が異なるということである。鳩山は、戦後自民党の安保・基地政策の非道の到達点とも言える「辺野古基地建設」をひっくり返そうとして日米にまたがる軍産政官の複合勢力の巨大な力に跳ね返されて挫折したのだし、菅は3・11の「首都圏壊滅か」という未曾有の危機の中で、戦後自民党が培ってきた、これまた日米にまたがる「原子力ムラ」の圧倒的な闇の権力構造に戦いを挑んで退けられた。

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