日本人が持つ「米国の笑いは日本より稚拙」という根拠のない自信

 

理由3 本当の意味で「アメリカの笑い」を理解できている日本人の数が圧倒的に少ない

これが一番言いたかったことであり、かつ、最大の原因であると思います。

わからないのに比較しようがない。 もっと言うなら、わからないから、面白いと感じれない。なので、日本人は「どうせこの程度でしょう」と、予測し、また自分のテリトリーに納めようとする。

例えば、ビビる大木さんがネタにしたように、わかりやすいオチを連発し、肩をすくめながら、両手の平を上に上げ、日本人の命名するところの「アメリカンジョーク」を連発する。

「 浮気したことがバレちゃってね。 そこでうちのワイフに言ったんだよ~、キミが、浮、気、相、手、かもよっ、、、、てね♪ 」(ここで、笑い声がインサートされる)

こんなの、こっちのテレビでも聞いたことねえよ。

つまりは日本人の想像するところの「アメリカンジョーク」でしかない。 でっちあげで、「おもしろい」か「おもしろくないか」を評価されたら、たまらない。

それに加えて、アメリカ人はサービス精神旺盛なので、たいして面白くなくても、相手の為に大爆笑のしぐさをしてあげることもある。

それを見て、「こんなレベルで大爆笑しちゃってるってなんて、レベル低いなぁ」と日本人が言う。

以上の理由から、単純に比較出来ないし、もしくは、比較する以前に、理解できていない可能性が高いのではないかと思ってしまいます。16年暮らしてる僕ですら、理解できてないんだし。

以前、渡辺直美ちゃんがNYにお笑い留学に来て、タイムズスクエアで、単独インタビューしたことがあります。

今、日本で人気絶頂の彼女が、すべての仕事を半年間休業して、アメリカに行く事に、当初、多くの先輩芸人が反対したと語ってくれました。

理由は「いまさらアメリカに行ってなに勉強すんねん」ということで。

「日本のお笑いの方があきらかにレベル高いのに、わざわざそこでトップ獲ってるおまえがアメリカに行って学ぶことなんかないで」

芸人、事務所の人間、多くの業界人にそう言われたと言います。

で、直美ちゃん自身もそう思っていた。でも、そうじゃない、と途中で感じたそうです。

日本で言われる、わかりやすい「アメリカンジョーク」だけではない、というか、そんなものない、と渡米後、スグに彼女は、気がついた。

僕自身も、どっちのクオリティーが高い、というわけではなく、あきらかに質自体が違うし、おもしろさのレベルは、直美ちゃんが実際語ってくれたように「どっこいどっこい」だと思います。

ただ!個人的な意見ですが。うまく説明しにくいですが。

「状況を俯瞰(ふかん)で見て、自分の価値観で、ホントにオモロいか、どうか 」を判断するのは、アメリカ人の方が上なんじゃないかな、と思うときが正直、最近、よく、あります。

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