日本人が持つ「米国の笑いは日本より稚拙」という根拠のない自信

 

以前。今から10年近く前—。

とっても印象深い出来事がこの街でありました。

日本映画「海猿」を、ニューヨークプレミアとして、この街で特別上映した時のことでした。僕は仕事で、出演者の佐藤隆太さんと、監督にインタビューさせて頂きました。

日本では興行成績も良く、感動巨編として、大ヒットした作品です。

いざ、上映が始まり、多くの現地ニューヨーカーの観客と一緒に観ました。

インタビューをする前に、本作を観て、観終わった後に、別室でインタビューすることになっていました。

僕は監督の2つ隣の座席に座り、鑑賞しました。

クライマックスのシーン。

詳細は忘れましたが。 海上保安庁だか、とにかく主人公扮する伊藤英明の所属する機関が、これから、人を助けるのか、爆破を防ぐのか、忘れたけど、とにかく命をかけた任務に行くときのこと( オレ、ホント、詳細覚えてねえなw)

で、ヒロイン扮する加藤愛(だったっけ?柴咲コウ?だったっけ。 じゃないよね、加藤愛だよね)に、もう帰って来れないかもしれないから(笑)意地を張らずに(笑)素直になって(笑)愛を告白(笑)するシーン。

その際、基地だか、要塞だか、その機関の施設全体に、切り忘れたマイクから、その愛の告白が流れてしまい、そうと知らずに主人公の告白が続き、みんなに筒抜けに聴こえてしまう、そんなシーンでした。

会場、大爆笑!(笑 ニューヨーカー、お腹抱えて笑い転げてました。

当然、僕も笑わせるシーンだと思い、実際、面白かったので、爆笑しました。

2コ隣に、監督がいたので、気持ちよくさせる為に、余分に笑った気もします。このあと、インタビューすることになってるし、ちょっとでも気持ちよくしゃべってもらおうといういやらしい計算もありました(笑

監督の笑いのセンスが、ニューヨーカーにも通じましたよ!」って気持ちで。

ところが。日本だとこのシーン、感動して、劇場全体が涙をすする音に包まれるそう。

あまりの真逆の反応に、監督も戸惑いを隠せず。 ショックを隠せず。

実はこの出来事、翌日のYAHOO ニュースで「 海猿 NYプレミア。 爆笑の映画館に監督、動揺隠せず 」との見出しで報じられたほどでした。

この後のインタビューで、むちゃくちゃ気まずい雰囲気になったことは言うまでもありません。 (だって2コとなりで、めちゃくちゃ爆笑しちったから。 しかも、そいつ(僕)がインタビューするんだから )

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