つまりここでの「重心」はあくまでも中国にあり、ここが相手方の権力の源泉であり、そこを動かせば目標は達成できる、ということなのです。
「どこにパワーがあるのか」を見極めるのは、戦略思考やリアリズム的な視点を身につける上での基礎中の基礎。この論文は、そういう意味では余計なことをいわずに、あくまでも要点だけを述べているという意味で合理的です。
もちろんだからといって、私は紹介した論文のように「日本も核武装をすべきだ」とは思っておりません。ただし、そうするかもしれないという脅しを「ツール」としてとらえ、それを実際に使えるだけの「勇気」を備え、そして、どこに「重心」があるのかを見極める。これが、国民の生命と財産を守る役割を担っているリーダーとしての政治家だけでなく、われわれ一般国民にも必要である…、この論文を読んであらためて感じた次第です。
image by: 首相官邸
『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』
国際情勢の中で、日本のとるべき方向性を考えます。情報・戦略の観点から、また、リアリズムの視点から、日本の真の独立のためのヒントとなる情報を発信してゆきます。
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