日本だったら完全アウト。ヒラリー氏に浮上したFBI幹部買収疑惑

 

そして、ヒラリーさんの夫ビルは1992年、「中国の金も」使って、大統領選に勝利。さらに1996年、また「中国の金も」使って、再選を果たした。

クリントン夫妻は1992年の大統領選に出馬したとき、リアディから少なくとも(後に判明しただけでも)125万ドルの賄賂(違法な政治資金)を受け取っている。

 

1996年の大統領選挙では、リアディ(リッポ・グループ)からクリントン夫妻へ、はるかに巨額な賄賂が動いた。
(同上)

そして、驚くべきことに、「クリントン夫妻が中国から金ももらっていたことにされます。しかし…。

1997年にこの事実が明るみに出たとき、クリントン夫妻は、「われわれはカネを受け取ったかもしれないが、何も憶えていない。誰がカネを出したのか、われわれは何も知らない」と言い張って、逃げてしまった。
(同上)

ここで、再度疑問がわきます。なぜクリントン夫妻は、中国から違法な金ももらい、しかもFBIがそれを知りながら、罪に問われないどころか、出世し続けることができたのか

1992~96年のFBIとNSAの盗聴活動により、中国政府の首脳部が米国政界に対して大規模な贈賄工作を実行していることは明らかであったが、国務省・ペンタゴン・司法省・CIAは、この大規模な贈賄工作を止めることはできなかった。たぶんこれらの組織は、政治的な理由から動けなかったのだろう。
(同上)

FBI、NSAは知っていたが、「国務省」「ペンタゴン」「司法省」「CIA」は、「政治的な理由」から動けなかった(!)。伊藤先生は、さらに解説をつづけます。

米民主党の政治家たちが中国から収賄しているというニュースがアメリカのマスコミに載るようになったのは、1996年後半である。

 

~中略~

 

この大規模な贈賄工作が、中国政府のスパイ組織による深刻な外交問題であるという解説記事が米マスコミに載るようになったのは、1997年の春以降のことである。
(同上)

これを受けて、FBIは、事実関係の調査に乗り出した。ところが…。

しかしFBIと連邦政府検察官による贈賄事件の捜査は、数か月しか続かなかった。1997年初頭、ホワイトハウスの命令を受けた司法省が、この件に関する捜査を打ち切る決定を下したからである。
(同上)

しかも、「露骨な圧力」があった。

この事件の捜査を続行するために独立検察官を任命することを主張したキャリア検察官、チャールス・ラベラは、即刻、解雇された。他の検察官たちはラベラが即座にクビになったのを見て、「この事件には、深入りしないほうがよい」と理解した。
(同上)

ここでわかるのは、「アメリカは三権分立の確立された理想的な民主主義国というのが幻想だ」ということ。アメリカにおいても、中ロ同様、「政治司法より強いのでしょう。

ヒラリーさんは、いわゆる「私用メール問題」も逃げ切りました。今回の「FBI幹部買収疑惑」も、おそらく大騒ぎにならないと思われます。

ここまで読まれた皆さんは、きっと「反吐が出そうだ!」と思われていることでしょう。しかし、ヒラリーさんは、日本の軍事同盟国アメリカの大統領になる可能性が高い人。中国に対抗するためには、「大事にしなければならない人」。とはいえ、彼女に関する「不都合な真実」も知っておくべきですね。

image by: Joseph Sohm / Shutterstock.com

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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