製品戦略
イケアがターゲットとする層は「インテリアや家具のデザインはこだわるが、価格は安さを求める人」です。
今までの家具業界は、「デザイン性は無視して機能性を追求し価格は低く抑える」と「デザインにこだわりがあり価格は高め」のどちらかに偏る二極化の傾向がありました。
イケアはその二極化に割って入ったといえます。
デザイン性と低価格を両立させることは容易ではありません。イケアは低価格を実現するために、販売員を極力配置しないようにしています。
販売員を介さずに顧客は気に入った商品をショールームとは別にある倉庫からレジへ自分の手で持っていって清算します。
そして、自分の手で自宅に持って帰ります。商品は顧客自身で組み立てます。イケアはこういった手間を厭わない人をターゲット顧客としています。
本来販売員が行うことを顧客にやってもらうことにより人件費を抑えることができます。
仕入れでは、取引先数を絞り込み、長期の契約を交わし、大量生産を実現することで仕入れ価格を抑えることができています。
低価格を実現していますが、かといってデザイン性や機能性で妥協することはありません。
美しいデザインで機能的な製品を手ごろな価格で提供することがイケアの強みとなっています。