いじめにどう対処する?
もしも自分の子どもがいじめにあっていることがわかったら、必ず念頭に置かなくてはいけないのは、いじめられる子には原因も非も責任もないということ。
そして、とにかく子どもの話をよく聞くこと。急かさず、問い詰めず、その子の痛みをしっかり理解するよう、100%受容的、共感的な姿勢が大切です。
受容とは、その子自身のすべてを、ありのままに受け入れること。そして共感とは、その子と同じ気持ちになり、悲しさや悔しさを自分自身の心の痛みとして感じること。
そう意識することで、子どもは安心し、親を信頼して、より気持ちや事実を話しやすくなります。対策を練るには不可欠な情報も、子どもが話してくれないとなにも得られません。肝心なのは、最初の親の姿勢なのです。
1.子どもの話をよく聞く
親がしっかり向き合い、うなずきながら聞くと、子どもは自分が受け入れられていることを実感でき、安心します。また、子どもの「疲れちゃうよ」に「そう、疲れちゃうんだ」と共感的に繰り返したり、「息が詰まるんだよ」に「苦しいんだね」など、共感的に言い換えることも有効です
● 信頼できる親以外の大人から聞いてもらうこともひとつの方法
親だとかえって話しにくい場合や、親子の間に信頼関係がないときには、信頼できる第三者に聞いてもらうこともひとつの方法。たとえば、祖父母、おじさん、おばさん、担任、元担任、保健の先生、塾の先生など。ただし、とても繊細さを要することなので、人選には細心の注意を。
2.子どもを安心させる
いじめられている子にとって、家は唯一の心安らげる場所。家では1人でのんびりと好きなことを楽しめるよう環境づくりをしましょう。また家族とのスキンシップは子どもに安心感を与え、心を安定させます。ときには遊園地など非日常的な場所に連れ出すことも◎。
● 学校以外の世界をもたせ、ほめて自信をつける
塾、習い事、スポーツ少年団など子どもが学校以外の場所で、いろいろな人間関係をもてるようにすることも効果的。私にはここがあるから大丈夫、と思える場所が学校以外にあれば、それがその子の支えになります。自信がもてるなにかと出合える可能性も。
● 子どもを守るため、登校拒否や転校の覚悟も
どんなに努力をしても状況が改善しないときや、とにかく緊急に子どもを守る必要がある場合は、登校拒否や転校を選択してでも子どもを守ることを考えましょう。転校すれば、今までの人間関係をすべてリセットし、新しい第一歩を踏み出すことも可能です。
● 担任に対策を依頼。ただし細心の注意を払う
担任や校長の尽力で解決することも多いもの。緊急に担任や校長に依頼するときは手紙より電話がお勧め。直接の面談で依頼するときは、母親だけでなく父親も同行するなど、複数の大人がきちんとした服装で出向き、ことの重大さを認識してもらうことが大切。
気をつける点
元気づけるつもりでつい口にしがちな「勇気を出せ」などは、出せないから困っている子どもにとっては、逆に言葉が詰まってしまう原因に。
「お前が○○だからいじめられるんだ」など、受容、共感とは真逆の、子どもを否定する言葉も絶対に禁句。子どもを追い詰めるばかりなので注意して。
● NGワード
- そんな弱いことでどうする? 勇気を出せ
- やられたらやり返せ
- いじめられるお前にも問題があるんじゃないか?
- お前がはっきりしないからいじめられるんだ
初出『ESSE』扶桑社
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