日本よりアメリカだ。プーチンが見せた露骨な「心変わり」

 

「食い逃げ論」で恨みを残さないために

日本には、「食い逃げ論」があります。もっともな話。実際ロシアが欲しいのは、「経済協力だけ」なのですから。ただ4島を実効支配しているロシアからすると、2島返還でも4島返還でも、どっちにしても「大損」です。このことも理解しておく必要があるでしょう。

戦争で奪った島を返す。国民を納得させるためには、相当の「見返り」が必要です。両国の「食い逃げ論」で恨みを残さないためには、二つのアプローチが必要です。

1.極東の支援

これは、「見返りを求めない」、いってみれば「慈善事業」。

たとえば医療分野の支援。貧しい人の支援。インフラ支援。とにかく、現地の人が喜ぶことをして、見返りを求めない。困っている人を助けるのは善いことで、結果的に日本のイメージが好転します。

2.ビジネス

これは、厳密に「日本とロシア双方が儲かることをする。今、

  • 日本とロシアを鉄道で結ぶ
  • ロシアから日本に電気を送る
  • 日本とロシアを結ぶガスパイプラインをつくる

などなど、いろいろ話が出ているようですが。「双方儲かる」「WIN-WIN」にしていくことが大事です。日本も儲かれば、「食い逃げ」にはなりません。

いずれにしても、鬼気迫る表情で、「島返せ! コラ!とプーチンに迫ってもムダです。「尖閣沖縄を守るためにロシアと友好関係を築くのだ!」という大戦略的意識を持って、一歩一歩進んでいくしかありません。

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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