米国人との交渉には最後にこの台詞でキメる。実践ビジネス英語

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日本人は交渉が下手、とよく言いますが、異文化摩擦を防ぐより良いコミュニケーションのための英語表現ヒントをお伝えするメルマガ『心をつなぐ英会話メルマガ』で、ビジネス交渉シーンで使える英語表現と交渉の心構えを解説しています。

今週のテーマは、

英語の決まり文句、Here is a deal. という一言

です。

この一言は、相手と話し合いをした末に、「こうしよう」と解決策を表明するときのきっかけとなる言葉です。つまり、compromiseをしようともちかけるときの表現です。

ところで、このcompromiseという言葉。辞書をひけば、「妥協」という意味で訳されています。そして、「妥協」という言葉は「肯定的」な意味の言葉ですか、それとも否定的な意味の言葉ですかときけば、多くの人が否定的な言葉と捉えます。

日本では、「妥協」という言葉は、妥協の産物という言葉に象徴されるように、何か自分の意思や信念に反して利益のために相手に歩み寄るといったイメージがこの言葉の中に含まれます。また、政治家が政治的利害のために歩み寄るというイメージもあるはずです。

では、compromiseはどうでしょう。 アメリカ人はほとんど誰もが、これを積極的で肯定的な言葉と捉えます。その理由は、お互いの違いを認めながら、そこからより高い解決方法を見つけることを意味していると思うからです。

英語圏、特にアメリカにはbrain stormという文化があります。これは、テーブルの上に意見を出し合って、遠慮なく戦わせることで、より建設的な結論を導き出そうという議論の方法を指します。compromiseはそうした行為の末に導き出されたソシューションをも意味しています。このbrain stormというコミュニケーション文化のない日本では、欧米流のcompromiseの概念そのものが希薄なのかもしれません。

このように、言葉の辞書的な意味の背景に隠れる意識の違いを理解しないと、それが思わぬ誤解の原因となりかねません。例えば、meetingを会議と訳しますが、会議の持ち方自体が欧米と日本とでは異なります。会議の席上でどんどんbrain stormをして議論を重ね、結論を導き出す行為(アメリカと、根回しなどで事前にコンセンサスを構築して、ミーティングでそれを確認する行為(日本)とでは、同じmeetingといっても、その方法が大きく異なるからです。

Here is a dealという一言。

これは、まさにbrain stormといった行為を経て、複数の意見を吟味した上で提案を行うときの一言なのです。

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