【書評】ニーチェが女子高生の私に「哲学しないか」と囁いた

 

「哲学」に対して「難しそう」というイメージを持たれている方、そんな誤解とは今日でお別れです。無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』で紹介されているのは、まぐまぐの新サービス「mine」で無料公開中の記事が好評を得ている哲学ナビゲーター・原田まりるさんが書かれた哲学エンターテインメント小説。あなたの「哲学アレルギー」を治してくれること間違いなし、の一冊です。

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ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。
原田まりる・著 ダイヤモンド社

こんにちは、土井英司です。

本日の一冊は、作家・コラムニスト・哲学ナビゲーターの原田まりるさんによる、初の哲学エンターテインメント小説

恋に破れ、家族との関係もいまいちな17歳の女子高生・児嶋アリサの前に哲学者・ニーチェが現れ、「哲学する」とは何か、人間はどう生きればよいかを説くという、大変興味深い内容です。

京都「哲学の道」の側で育ったという著者だけに情景描写も細かく、本当にニーチェやキルケゴール、サルトル、ショーペンハウアーが現代の京都に現れたかのよう。

かつて学んだ「超人」の概念や、永劫回帰を受け入れるという考えが、ある程度人生経験を積んだ今は重く受け止められます

現在の社会の一番の問題点は、成功にしろ幸福にしろ、何が正解か誰にもわからないことだと思いますが、本書はわれわれが直面するこうした悩みに、明確な回答を提示しています。

たとえ同じような苦しみ、辛い出来事が繰り返されるとしても「それがまるごと自分の人生だ」と受け入れられること

「人生は無意味だから、どうでもいいや」ではなく「人生は無意味だから、自由に生きてやれ!」とただのニヒルではなく、積極的なニヒリストとして生きていけばいい

誰かが創った道徳常識」に縛られ、自分も他人も苦しめている現代人に、本書は一筋の光を与えてくれると思います。

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