ヘレン・ケラーが支えにした盲目の天才国学者、塙保己一の大偉業

 

受け継がれた志

群書類従670冊が完成したのは文政2(1819)年、保己一は74歳となっていた。思い立ってから41年目のことであった。同時に『続群書類従』の調査、書写が進んでおり、出版が始められたが、保己一はこの2年後に他界した。享年76

和学講談所は維新後に明治新政府によって再建され、後に東京大学史料編纂所となった。また続群書類従は明治35年に活版で刊行が開始され、関係者の努力によって昭和47(1972)年に完結した。

盲目の少年の学問への志は、周囲の人びとによって大きく育てられ、さらに後の人びとの心に受け継がれて大事業を成し遂げたのである。

文責:伊勢雅臣

image by: Wikimedia Commons

 

Japan on the Globe-国際派日本人養成講座
著者/伊勢雅臣
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