はなまるうどんと丸亀製麺、うどん界の2強対決に起きた異変

 

はなまるは高い利益率を誇ります。原価率が低いことが主な要因です。2013年2月期決算説明会資料によると、牛丼店の「吉野家」の原価率は38.1%、割烹料理店の「京樽」は37.8%、ステーキ店の「どん」は33.4%、うどん店の「はなまる」は32.5%です。「はなまる」の原価率の低さが際立っています。粉物は儲かると言いますが、このことからもよくわかります。

はなまるは2006年に吉野家ディー・アンド・シー現・吉野家HDの子会社になりました。2007年2月末の店舗数は187店舗ですが、2016年11月末の店舗数は422店舗です。1年あたり20店舗以上を出店している計算になります。店舗網を大きく拡大している状況です。

「はなまる」の快進撃は続いています。しかし、ライバルのうどん店「丸亀製麺が立ちはだかるため楽観視はできません。丸亀製麺の2016年9月末の店舗数は778店舗です。「はなまるを大きく上回る店舗数を誇ります。

利益率でも丸亀製麺ははなまるを大きく上回ります。営業利益率は、丸亀製麺は14~17%程度もありますが、「はなまる」は4~5%程度にすぎません。丸亀製麺の利益率が高い理由は原価率の低さにあると考えられます。丸亀製麺の売上原価率は25%程度です。「はなまる」の原価率は先に挙げた32.5%という数値から推定して30%台前半と考えられます。丸亀製麺の原価率の低さがわかります。

丸亀製麺の原価率が「はなまる」より低いということは、原価が低いか価格が高いかのどちらか一方か両方が考えられます。原価で大きな差があるとは考えにくいため、おそらく価格が高いことにより原価の割合が低くなっていると推察できます。

つまり、丸亀製麺は高くても売れているということです。丸亀製麺は全国の店舗すべてに製麺機を置き、小麦粉から打ちたての麺を作っています。一方、「はなまる」は麺を自社工場で製造し、店舗に配送しています。以上から、丸亀製麺の方が鮮度の高い麺を提供できるため、その分を価格に転嫁することができます。そのため原価率を大きく下げることができるのです。

また、丸亀製麺の麺は国産小麦を100%使用しているのも特徴です。一方、「はなまるの麺はオーストラリア産を主体にしています。一般的なイメージとして、「国産100%」の方が大きな訴求力を持っていると考えられます。このことも丸亀製麺の優位性を示しているといえます。

丸亀製麺は大きく成長しています。「はなまる」がさらなる成長を果たすためには、丸亀製麺にはない差別化された武器を持つ必要があります。現状、麺の鮮度と品質イメージでは丸亀製麺に勝てません

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