日本の戦略は、「現状維持」と「時間稼ぎ」
現状、日本の現実的脅威は、二国だけです。一つは、尖閣、沖縄を狙う中国。もう一つは、北朝鮮。特に、GDP、軍事費世界2位の大国中国の脅威は、深刻です。
日本は、アメリカとの同盟関係を強固にすることで、「尖閣侵攻」の意欲をくじいておく必要がある。同時に、「アメリカのお役に立ちたい」ということで軍備を増強し、ちゃっかり「軍事的自立」を目指す。そして、「現状維持」「時間稼ぎ」を続けていきます。
なぜ?10年以上前から予想していたように、中国経済の減速が著しい(2005年発売の『ボロボロになった覇権国家』で、「中国は、08~10年に起こる危機を短期間で乗り切るが、成長が続くのは2020年まで」と書いています)。
これは「国家ライフサイクル」でわかるのです。つまり、中国は、「成長期後期から成熟期に移行する際の混乱が待ち受けている」状態。日本でいえば、1980年代後半にあたるでしょう。2020年代になると、中国は、日本の1990年代にあたる時代に入っていく。「一人っ子政策」の結果、高齢化が急速に進み、「暗黒の時代」に突入していきます。だから、日本は、あせる必要がない。
- アメリカとの関係を、一貫して良好に保ち続ける。
- インドとの関係を、事実上の同盟関係まだ高めていく。
- ロシアとの関係をさらに発展させ、結果中ロを分断する。
- 台湾、ベトナム、フィリピン、オーストラリアなどとの関係をますます強化していく。
そして、「現状維持」「時間稼ぎ」を続けていく。時は、日本の味方です。
image by: 首相官邸