さて、どうやってマカロニに孔をあけるのか。先に書いたとおり、「簡単だ。小麦粉を押し出す口をドーナツ型に開けておけばよい」という人もいるだろう。その人は多分、子供のころ切り絵をしたことがない人。紙をドーナツ型の陰画になるよう切り抜くことは不可能なのだ。いうまでもなく、中の円は支えがないからはずれてしまい、大きな円が得られるだけ。
実はこの問いこそが、13世紀から14世紀にかけての約100年間、イタリア人以外のすべてのヨーロッパ人が抱き続けたクェッスチョンだったともいう。すなわち、これは近世イタリアの門外不出の国家機密だった^^ともおおげさに言えばいわれているようなのである。
さてでは、正解は? 乾したマカロニをちょっとやそこらにらんでいても思いつかないもののようである。それは、先のすぼんだノズルの中に、孔の太さの棒の上に枝が3本出ている(三角形状に配置される)。そしてランのしべ(芯)のような形のピンを入れてドウ(小麦粉をねったもの)を押し出す。ドウは一度は裂けるが、すぐくっついて管状になるというのだ。ちょっとわかりにくいが、絵を描いてみれば容易に理解出来るだろう。ということで、こういう用具がなければ、家での手作りのマカロニというのはちょっと難しいだろう。
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