ビジネスに影響を与えるマクロ環境の動向は常に注視する必要がある
ビジネスは、内部環境ばかりでなく、外部環境にも大きく影響を受けます。特にマクロ環境は自社ではコントロールできない要素が多いために、環境に合わせて自社の経営を変化させていくという対応がビジネスの成否に直結します。
すなわち、企業はビジネスで成功を収めるため、そして失敗しないために、マクロ環境の動向を常に注視しておく必要があるのです。
このマクロ環境を分析する際に広く使われているフレームワークとしてPEST分析があります。
PEST分析では、マクロ環境をPolitics(政治・法律)Economics(経済)Society(社会)Technology(技術)の4つに分けて分析していきます。このPEST分析を行うことによってマクロ環境を漏れなくダブリなく(MECE: Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)分析することが可能になるのです。
たとえば、タバコ産業において簡単にPEST分析を行ってみると次のようになるでしょう。
このようなマクロ環境の大きな流れを見極めれば今後タバコの売り上げはますます減ることは避けられず、新たな事業の柱として電気加熱式タバコに業界が期待をかけるのもいわば必然だったということがわかるでしょう。
その業界の期待を大きく裏切ることになるのが、健康増進法の改正に際して、規制対象に加熱式タバコが加わるという決定であり、まさに業界にとっては寝耳に水な展開といっても過言ではないでしょう。もし正式に規制対象となり、法律が施行されれば、販売計画に大きなマイナスの影響を受け、3社は計画の大幅な修正を迫られることは間違いありません。
果たして、引き続きマクロ環境の動向を注視しながら、タバコ業界は電気加熱式タバコの成長を維持するためにどのような打開策を見い出すのか?
各社の戦略に注目していきましょう。
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