「高血圧」は家系のせい? 遺伝と血圧の関係とは

2017.04.12
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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健康診断などで、「ご家族の中に高血圧の方はいらっしゃいませんか?」と聞かれたこと、ありませんか?

生活習慣病の中でも、なぜ高血圧については家族にいるかどうかを確認されるのでしょうか。

そもそも、実際のところ高血圧と家系はどれだけ関係しているのでしょうか。

今回は「高血圧」の遺伝と血圧の関係について、解説していきましょう。

高血圧の90%は「原因が明らかでない高血圧」

日本人に多いとされている高血圧。

実は高血圧と診断された方のうち、90%は本態性高血圧といって、「原因が明らかでない」高血圧であることがわかっています。

この「原因が明らかでない高血圧」というのは、原因が複数考えられるという意味で、「全く原因がわからない」というわけではありません。

この「原因が複数考えれる」というものの一つに、「家族歴」が深く関係しています。

血縁に高血圧の方がいると、高血圧となる場合が多い

高血圧となる原因の一つに、遺伝因子が関係していることがわかっています。

これは生まれつき血圧が従来よりも上がりやすいということを意味しています。

他にも、高血圧には生活習慣が密接に関係しているとされているのですが、親が高血圧の場合、子供は同じような生活習慣を送っているために、子供も高血圧になりやすいといった側面もあります。

このように、家族で高血圧になりやすい、というのが実情なのです。

高血圧は、放置すると恐ろしい病を引き起こす原因になりえる

高血圧そのものは、症状として出現しないことが多くあります。

これは、体が血圧の高い状態になれてしまうことで、症状として出現しにくいということが原因だと考えられます。

しかし、正常値を超えた血圧のままで長期間過ごしてしまうと、血管に強い圧をかけ続けることになるため、脳出血や大動脈破裂などといった、重篤な病気を引き起こすリスクがあります。

「血縁に高血圧の人がいて、自分も検診で高血圧と診断されたけれど、症状が特に出ていないから大丈夫」だと思わず、すぐにコントロールすることが大切です。

血圧は比較的薬によるコントロールが可能

血圧は血糖値やコレステロール値に比べ、比較的お薬によるコントロールが可能とされています。

食事や運動に気を付けることはもちろんのこと、定期的に医師の診察を受け、適切な降圧剤を飲むことが何より大切です。

高血圧は糖尿病、高脂血症と並んで生活習慣病の一つとされています。

血縁で高血圧の方がいる場合には、「自分も高血圧になりやすいんだ」ということを常に意識することが大切です。

病気を予防できるのは、自分の日ごろの注意が何よりものを言います。

【参考】医療情報科学研究所『病気がみえる vol.2 循環器』 メディックメディア社

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士)
 

<執筆者プロフィール>
山村 真子(やまむら・まこ)
看護師・西東京糖尿病療養指導士、一児&犬二匹の母親兼主婦。現在は医療系ライターとして執筆活動中

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記事提供:Mocosuku(もこすく)

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