略奪婚で逆に人気上昇。フランス大統領候補・マクロン氏の素顔

 

EUを守る若きエリート・マクロンさん

「移民受入れ反対」
「EU離脱」

を掲げるマリーヌ・ルペンさん。彼女と決選投票で戦うのが、エマニュエル・マクロン前経済相です。この方、なんと39歳(!)という若さ。勝利すれば、「フランス最年少大統領」になるそうです。どういう人なのでしょうか?

マクロンさんは、1977年生まれ。パリ第10大学、パリ政治学院、国立行政学院を卒業。どんだけ勉強してるんだ!? ってことですね。

04年から、フランス財務省財政監察官として勤務。06年、社会党に入党。08年から、Rothschild&Cie銀行に勤務(Rothschild&Cieは、パリ家5代目当主ダヴィッド・ロスチャイルドが1983年に創業した銀行)。

この事実から、ロシアでは、「マクロンはロスチャイルド家のお気に入り」といった報道もありました。「ロスチャイルド」という名前が出ると、すぐ「北野はやっぱり陰謀論者だ」などと批判する人が出てきます。一応、AFP=時事4月24日から引用しておきましょう。

アウトサイダーに位置づけられるマクロン氏だが、リーダーを多数輩出しているフランス国立行政学院(ENA)をはじめ複数の高等教育機関で秀才として学び、同国でお決まりのエリートコースを歩んだ経歴も持つ。

 

マクロン氏は投資銀行の世界に入り、ロスチャイルド(Rothschild)系の銀行で数百万ユーロを稼いだ。

2012年、オランド政権で、大統領府副事務総長。2014年、経済・産業・デジタル大臣に就任。2016年4月、新政党「前進!(En Marche!)」立ち上げ。同8月、経済相辞任。同11月、大統領選への立候補を宣言。そして、今回の第1回投票で、1位を獲得し、決選投票に駒を進めました。

この経歴を見てもわかりますが、マクロンさんは、「バリバリのグローバリストで国際金融資本のお気に入り」と言えるでしょう。決選投票は、まさに、ナショナリスト・ルペンとグローバリスト・マクロンの対決ですね。

「略奪婚」が、マクロン人気の理由!?

少し、「フランスらしいよな~~~~と驚いたエピソードに触れておきます。

政治と同様に私生活でもマクロン氏は伝統を破っている。中流家庭出身の演劇愛好家のマクロン氏が、リセ(高校)時代に演劇教員のブリジット・トロニュー(Brigitte Trogneux)さんとの恋に落ちた物語は、仏メディアを虜にした。

高校生のマクロン君は演劇教師のブリジット先生と恋に落ちた。「マセガキ」ですね。しかも、ブリジットさんは、「大学を卒業したばかりの、初々しい先生」ではありませんでした。

トロニューさんはマクロン氏より25歳年上で、当時すでに3人の子どもを持つ既婚者だった。しかし、その後夫と離婚して2007年にマクロン氏と再婚している。

高校生のマクロン君は、自分の母親でもおかしくない年齢の先生(しかも3人の子持ち)と恋に落ち、「略奪婚」に至った。フランスでは、「これでマクロンの人気が上がった」というのです。お国柄ですね~~。

世界の今後の時流を左右するフランス大統領選挙。結果が楽しみです。

image by: Frederic Legrand – COMEO / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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