党大会以後の政権は「習近平・共青団派連合政権」
そうすると、次の党大会以後においても、胡錦涛氏の共青団派は依然として大きな勢力を保って党と政府と軍の中の要職を占め、国家主席の習近平氏と権力を分かち合うこととなる見通しだ。
これでは、党大会の後に誕生する政権は結局習近平氏と共青団派との「連合政権」となる。習近平氏が望んでいる自分自身への権力集中はそれ以上に進むのはもはや無理。
おそらく彼はすでに、このような権力構造の形成を受け入れることにした。だからこそ、自分の側近の栗戦書らと一緒に、汪洋氏と房峰輝氏の両名を、トランプ政権との初会合に連れていくこととなったのであろう。
そういう意味では、今回の米中首脳会談からは、中国共産党党内の権力闘争の今後の行方と、近い将来において形成すべき権力構造の形がはっきりと見えてきていると思う。
引退する前の胡錦涛氏が打った布石は今でも生きていて、将来においても生きていくのであろう。
実はこの胡錦涛氏は引退する前、習近平政権下での勢力温存の布石を打っただけでなく、ポスト習近平を見据えてのもう一つ重要な布石を打っておいた。これに関する分析は、いずれかこのメルマガで行う予定である。
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