京都は今でも常に新しいものを取り入れて前に進もうとしています。西陣織や京友禅など染物の業界などはコンピュータの導入が進みデザインをデジタル保存したりしています。
このような京都の先進性は特に戦前から戦後にかけて多くのハイテク企業やベンチャー企業を生み出しました。島津製作所、オムロン、京セラ、ローム、堀場製作所、任天堂など数えればきりがないほど出てきます。
京都は古都で古い町ではあるものの、新しいことを大胆に取り入れ進取の気性に富んだ街です。長い間都であり続けたことで発信力の強さを養ってきたのかも知れません。
私が一番驚いたのは南禅寺の境内に立つと頭上を流れる天井川である、水路閣です。琵琶湖から水を引いた水路が天井川として電車のようにレンガ造りの橋の上を流れているのです。当時の京都人の反発はいかほどだったかと想像してしまいます。普通に考えたら、禅寺、それも五山の上という最高格付の禅寺の境内にレンガ造りの橋を建ててしまうことなど考えられません。それでも、いまではそのミスマッチがとても自然な光景としてなくてはならないもののようにしっくり来ているのです。どんなに新しいものでも吸収し、取り込んでしまう懐の深さのようなものが京都にはあるのだと思います。
東京はもともとの個性のようなものがあまりないのでただ沢山の新しいものが沢山あるといった感じです。でも京都はしっかりと街の顔というか雰囲気があり、そこに取り入れられるものは皆京都風に同化してしまうのかもしれません。
今回はとりとめもなく手当たり次第に京都が発祥のモノを取り上げてみました。
image by: Shutterstock.com