「同じ轍」は踏むな。東芝の大失敗に学んだ国内大企業のM&A事情

 

こうした反省から、日本の若い世代が新しい開発、研究に挑んでいる国内のベンチャーに目を向け出したのだ。20、30代の若いベンチャーは、大学の研究室などと共同で開発に携わり、しかも最近の世代は3.11の東日本大震災の影響もあってか、単にカネ儲けに走るだけでなく社会的に役立つベンチャーが増えている

大企業もこうしたベンチャーに目をつけ、技術協力や販売などにも手を貸し新しい分野に乗り出そうとしているのだ。技術やヤル気、志を持つが開発資金、販売ルートなどを持たないベンチャーと大企業が手を結び始めてきたのだ。

数年前にベンチャーとして出発したエネルギー、食料などを研究、開発するユーグレナは大学や企業の協力を得て上場を果たすまでになった。閉塞状況にあるベンチャー企業が大手と手を組むことで両者が共に新しい道を切り開いてゆく時代になってきたようだ。

(電気新聞 2017年5月11日)

 

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ジャーナリスト。1942年生。慶応大学経済学部卒業後、毎日新聞社入社。大蔵省、日銀、財界、ワシントン特派員等を経て1987年からフリー。TBSテレビ「ブロードキャスター」「NEWS23」「朝ズバッ!」等のコメンテーター、BS-TBS「グローバル・ナビフロント」のキャスターを約15年務め、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」に27年間出演。現在は、TBSラジオ「嶌信彦 人生百景『志の人たち』」出演。近著にウズベキスタン抑留者のナボイ劇場建設秘話を描いたノンフィクション「伝説となった日本兵捕虜-ソ連四大劇場を建てた男たち-」を角川書店より発売。著書多数。NPO「日本ニュース時事能力検定協会」理事、NPO「日本ウズベキスタン協会」 会長。先進国サミットの取材は約30回に及ぶ。

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【著者】 嶌信彦 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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