ブレジンスキーの日本観、中国観
ドイツから逃げ、アメリカの国務長官になったキッシンジャーさん。ポーランドから出て、アメリカ大統領補佐官になったブレジンスキーさん。公職を離れ、なお大きな影響力を保ったところも似ています。
アメリカ在住の国際政治学者・伊藤貫先生は、名著『中国の「核」が世界を制す』の中で、二人の共通点をあげています。何と二人とも、「親中国、反日本」である(涙)。いくつか興味深いところを引用しておきましょう。
キッシンジャーと同様の親中外交論を主張してきたブレジンスキーは、「中国こそは、アジアにおける「アメリカの自然な同盟国」と言ってよい。アメリカの国防政策は、日本政府の行動の自由を拘束する役割を務めている。この地域で優越した地位にある中国こそ、アメリカの東アジア外交の基盤となる国だ。中国政府は、アメリカに挑戦することなど考えてもいない。
『中国の「核」が世界を制す』伊藤貫 著/PHP研究所
私たちからすると、「大丈夫かこの人?」という感じですね。しかし、この人がオバマさんをはじめ、歴代大統領に大きな影響を与えてきたことを、決して忘れてはいけないでしょう。
彼ら(=キッシンジャーとブレジンスキー 北野註)は、最近の米国で強くなってきた「中国脅威論」に対して、ムキになって反論している。
(同上)
二人とも自惚れの強いナルシストであり、中国人に徹底的におだてられ、利用されてきた。
(同上)
キッシンジャーとブレジンスキーはプライドの高いエゴイストであるから、他人の虚栄心を巧みに操る才能を持つ中国人にとって、操縦しやすいタイプの外国人である。二人とも中国政府首脳から反日PRをたっぷり吹き込まれ、米国に帰国してから、その反日PRをそっくりそのまま復唱している。彼らは自惚れの強い人物であるから、「私は中国共産党に利用されている」という自覚がまったくない。
(同上)
伊藤先生によると、キッシンジャーもブレジンスキーも「中共の『プロパガンダマシーン』にされている」ということですね。恐ろしい。
ちなみに、この二人には、違いもあるそうです。
この二人には違いもある。ブレジンスキーは日本人を小馬鹿にしているが、日本人を憎悪してはいない。それに比べてキッシンジャーは、日本人に対して鋭い敵意と嫌悪感抱いている。
(同上)
日本観が違うのですね。ブレジンスキーは、日本を「小馬鹿にしているが、憎悪してはいない」。キッシンジャーは、日本人に「敵意と嫌悪感を抱いている」。
日本を「小馬鹿にしていた」ブレジンスキーさんは亡くなりました。日本に「敵意を持つ」キッシンジャーさんは、生きて、トランプの顧問として活躍(?)されています。
安倍総理は、トランプさんと頻繁に連絡をとり、キッシンジャー経由でトランプファミリーに流れてくる中国毒を中和する必要があるでしょう。